第3話 夏休み 前半

「終わった〜」

『お疲れ様でした』

7月中旬の夕方、俺の部屋。俺達は皆で夏休みの宿題をする事になって澪が終わっていつメン全員の宿題が終わった。

『かーんぱーい!!!』

宿題という大きな大きな敵を討伐したということで乾杯する俺達。お酒にしたかったが仕方なくジュースにした。時刻は19時。

「今学期1年成績1位って誰なんやろな」

「アタシは知らないなぁ」

「私もです」

めっちゃ澪が不思議がっている。確か澪は成績2位なんだっけ?めちゃくちゃテストの点数高いのに1学期は学年2位...へぇ、澪の上行く人いるんだなぁ。

「遼って何位なの?」

「えっ」

「通知簿はっけーん(澪)」

「だめだめだめだめ!!!」

「はっ」

急いで澪の手から通知簿を取り上げた。

「見せてーや〜」

「ダメです」

「むぅ〜...んなら無理矢理奪ったらええだけや!!!」

「えええ!?」

澪が俺に飛び付いてきたと同時に神姬達も俺にくっついて来やがった。

「はいもーらい〜」

「あぁ...」

神姬が嬉しそうに俺の通知簿をヒラヒラさせてる。

「じゃけん遼の成績見ましょうね〜」

そう言って神姬が通知簿を開いた。

『...ん?』

可愛い可愛いJK共が首を傾げる。

「全部...評価5ですね...」

「いやいや、私達の学校は10段階...」

「いや...5段階だ」

「期末の5計497...!?(愛)」

「嘘や...ウチ期末の5計489...つまり...」

みんなゾワゾワし始めた。そして通知簿の1番重要な所に目を向けた。

「はっ...!?そんなっ...!!!(愛)」

「学年.....(澪)」

『1位ぃいいいいいい!?』

皆の顔から生気が無くなった。そう、実は俺、成績が学年1位なのだ。神姬だけは知っている。

「てことはだぞ...このメンツ...学年の1~6位を陣取ってるって事か!?」

「えっ」

「そーですよ!!澪さんが2位、3位が私、4位が愛さん、5位が神姬さん、6位が光さんなんですよ!?」

「ええええええええええ...えぇ?」

いやいやこのメンツ優秀過ぎない!?すげぇ...こんなことあるんだな...。

そして談笑しながら1時間後。机の上にあったトランプで遊んでるのだが...。

「スペ3からの4であがり〜!!」

ジュースとお菓子食べながら皆で大富豪をやっているが澪が5連続大富豪(1位)で無双状態なのだ。うーむ...どうすれば勝てるのか...?

「じゃあ次大貧民の人は愛特製の激辛クッキーを食べるってことにするか」

「おん!!ええで!!あ、ごめーんトイレ行ってくるわ〜」

そう言って俺の部屋を出た澪。...俺達の顔が悪い笑顔になった。

「いっちゃん初めは遼やから遼は最初4出して」

「おけぃ」

「で、私が8出して光さんが4を2枚出して切るってことでいいですね?」

「そうね」

『...おけぇい!!』

『ただいま〜』

『おかえりぃ』

という事でカードを仕組んでたら澪が帰ってきてゲーム再開。順番にカードを配った。

「え!?強っ!!」

「ほほう、見せてくれよ」

「ええよ...ってアホ!!」

こんな感じで澪はめっちゃ喜んでいる。なぜなら2と1が2枚ずつ、11が2枚、10が1枚、8が1枚、5が1枚だからだ。

「誰からやっけ?」

「俺俺」

という事で俺は計画通りダイヤの4を出した。順番は俺、善子、愛、神姬、光、澪だ。

「じゃー、はい」

善子がスペードの8を出した。

「頂きぃ!!」

光が4を2枚出して光の番に変わった。

「あ、やらかしました...(棒)」

「早よ出してやおしみん〜!!」

「そんなに強いのか?」

「おん!!また大富豪なる気しか無いわ〜」

「ほう...そうか...」

そう言いながらクールに6を4枚出した。. . . 。

「...えっ!?ちょっと待って!?あかんって!!!おい!!!」

『ぶっ......!!!』

澪の様子が急変した。俺達はそれを見て必死に笑いを堪える。そして光は9を2枚出した。

「ほら澪、お前の番だぞ?」

「んぅぅ...パス」

その後も澪以外のカードがどんどん無くなって俺、善子、愛、神姬の順で上がっていった。

「...嘘やぁ...嘘やぁ嘘やぁ...」

「澪...さらばだ」

光がクイーン2枚出して上がった。

「なんでやねぇぇええん!!!!」

『フハハハハハッ!!!!』

澪は1枚も出せずに終わった瞬間俺達は腹抱えて笑う。

『作戦成功〜!!!』

「お前らぁあああ...!!」

「ほら、早く食えよ」

光がめちゃくちゃ嬉しそうに澪の口に愛のどーやったらそんなん作れるの?ってレベルの激辛クッキーを口に持っていく。

「嫌や!!嫌や!!離せや!!おい!!」

「じっとしなさい」

「遼、ちゃんと捕まえとけよ?はい澪、あーん♡」

「ちょっと待って!!!待って!!!あかん!!!ほんまにあかん!!!匂いがっ!!!あっ!!!んんっ!!んーー...っ!?んあああああ!!?!??!!」

澪、撃沈。このあとめちゃくちゃ叩かれた。





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