第2話 夏の始まり
7月。
暑い中セミの鳴き声と学生達の元気な声が響く尾鷲駅。俺は安定の神姬と一緒に居る。そして来た列車に揺られて40分くらいしてから学校に着く。
「おはよ〜」
「おはようございます」
既に俺と神姬の机の周りに皆が集まっていた。このメンバーに入ってから毎日こんな感じだ。
「この靴可愛くないか?」
「お〜めっちゃええやん!!」
とまぁ皆がやがや靴とか鞄とか服とかの新作とかを見てカワイイ〜♡オシャレ〜☆とか言い合ってるんだけど男である俺はイマイチ良く分からないから毎回会話に入り込めずに俺だけハブられてる感じだ。それに6月はテストもあったしそこまで集まってない。やっぱり体験の時は雰囲気作ってたんだなぁ〜はぁ......結局高校生活も静かに終わるのが。
「このスマホケースいいね」
愛が神姬のスマホを手に取ってケースを眺めている。ん?あれって...。
「これ遼が今年の誕生日プレゼントで買うてくれてん」
そう、今年の4月に神姬は16歳の誕生日を迎えた。その時に誕プレとしてこの海外に売ってそうな緑のキャンディーのようなスマホケースだ。
「お〜いいセンスしてるじゃな〜い」
「せやろ?遼って割とこういうのセンスあるねん。な?遼」
「...え?」
ぼーっとしてて全く話を聞いてなかった。すると皆が爆笑し出した。
「何やねんその顔!!」
「話聞いてましたか!?」
「...いや?」
『フハハハハ!!!!』
え、何で?そんなに笑う?そんなに面白かったの?顔でこんなに笑われたの初めてだよ?
するとチャイムが鳴って皆席に着いて愛は1組に戻った。
今日は終業式と大掃除だ。この真夏のクソ暑い時期にサウナかよってツッコミたくなるくらい蒸し暑い体育館に全校生徒を詰め込んで校歌を歌わされて長い長い校長の話を睡眠で済ませて(おかげでお尻が痛い痛い)大掃除に入る。
『涼しぃいいい......』
俺と神姬で...かと思われたが神姬に「せっかくやからわたし以外の子らと話してみ」と言われた結果俺と光と善子と澪で室内や廊下の窓拭きをする事になったのだが自習室に吹いてくる風があまりにも涼し過ぎて作業にならない。ちなみに神姬はトイレ掃除をしている。
「あら、変わったメンバーね」
もう掃除を忘れて涼しむ人間の屑である俺達の所に掃除を抜け出してきた人間の屑の愛が来た。
「神姬とはどう言う関係なんだ?」
「ただの友達...ってこの質問4回目だよ?」
すんごい皆から質問が来る。何で付き合わないの?とか何で付き合わないの?とか何回神姬でシコった?とか...。
「嘘つくなよお前あんな可愛い子を彼女にしないなんてどういうちんちくりんな脳みそしてんだよ!!!」
「うるせぇよ元からだよ元から!!」
『出た〜本当に面白くない奴第5位「元から○○だから!!!!!」ってカッコつけるまじで面白くないしょうもない奴〜!!!』
「悪かったもう許して下さいそれ以上俺を貶さないで下さい!!何でもしますから!!」
まぁ...確かによく言われる。何で付き合わないの?って。うーん...俺と神姬に友達以上の感情は無いな...。
「胸は揉んだ?」
「キスは?」
「風呂は?」
「裸は?」
「無いです」
『嘘つくなよ〜&嘘つかないでくださいよ〜』
「なんなんだよお前ら...」
その他神姬がゴリラの真似が上手いとかこちょばしと風船がめちゃくちゃ苦手とか色々と秘密を暴露してる途中に神姬が帰ってきてまーまー怒られた。反省してないけど。
そしてやっと学校が終わった。
『かんぱーい!!』
今日は俺の家の部屋で一学期お疲れ様でした会を開いている。そして皆グラスいっぱいのジュースを飲んでる。くぅ...美味い!!!!ていうか...今の状況凄いなぁ...めっちゃ可愛い女の子5人が俺の部屋に居るって。なんかこの先不幸な事が起こりそうで逆に怖い。
「あぁ〜解放されたぁ〜」
「やっと夏休みですね」
「男子が喜ぶ季節でもあるな」
「え?なんでですか?」
「肌の露出とか薄い服を着る事が多くなるだろ?そういうことだ」
『え...じゃあ......』
皆が一斉に俺を見る。
「...そういう事だ」
『はぇ〜...』
「いや、そんなこと...」
「見たけりゃ見してあげるわよ」
『いやあかんあかんあかん!!!』
...とまぁ、こんな感じの下らなさすぎる話を2時間くらいした。そして皆をお風呂に入れて(もちろん俺は1人で)ちょっとだけゲームして布団を敷こうとした。
「え?布団敷くんですか?」
「あぁりえんなぁ」
「バイオ4のゾンビの空耳はいいから神姬...え、な、何で寝るつもりだったの?」
俺がそう聞くと皆一斉にベッドを指差す。あーほんとだここがあっ。
「いや待て待て待て待て待て待て!?」
「えっ、何でダメなんだ?」
「当たり前だろ!?た、確かにこのベッドは1人用のつもりだったけど親が間違えて3人用で買ったベッドだけど...6人は流石にきついよ!?」
そう、このベッドは俺が6歳の時に買ってくれたベッドで何ぜか知らないが大きさを間違えてしまったのだ。
「物は試し、やってみな分からんわい」
「そうよ。ほら、皆寝転がってみて」
と言うことで俺のベッドに皆が寝転んだ。...少し沈んだだけですっぽり入ったし左右にかなり余裕がある。
「じゃけん夜遼のベッドで寝ましょうね〜」
「お、そうだな」
「あぁ...何でこうなるんだよ......」
時刻は深夜1時。本当に皆俺のベッドで横になっている。左から光、澪、愛、善子、神姬、俺の順番だ。何か京都の四条とか三条通りみたいだな...。俺は割とすぐに眠りについ
「枕めっちゃ柔らかいな」
「確かに...ちょっと善子顔貸せ」
「何ですか...ふむっ!?」
光が善子に枕をぶつけた。
「すきありっ!!!」
「はぁむっ!?」
次は澪が光の顔に枕を埋めた。それを見たみんなが枕を一斉に顔にぶちまけ始めた。
「ストーーーップ!!!!!」
『え?』
俺が皆を止めた。そして一人一個枕を持たせる。
「...よーい...スタート!!!!!」
『とりゃーーー!!!!』
もう眠気も覚めたし学校も無いから存分に眠くなるまで遊んでやろうということで枕投げを再開した。結局本当に眠くなるまで枕投げして寝たのは夜の3時で起きたのは学校の疲れもあってか夕方の18時でまた夜遅くまでゲームした。何気にここに入って正解だった...かも?まぁ、どうにかなる。
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