夜《掌編》
眠れない夜の話をしよう。
一面に紫黒に塗り潰された空に、点々と輝く月白の光が見えるかい。
あれは神様が幸せな眠りを与えるために毎晩赴く散歩の足跡だ。いつも同じところを通っていくのだけど、夜の始まりが早くなるほどにその跡は天高くにつく。
今日はまだ足跡が地平線の近くにあるから、散歩は始まったばかり。眠れないのも道理だ。
さあ、そろそろ目を閉じて御覧?
聞こえてくるはずだ、
風の声が、
木々のささやきが、
そして神様の足音が……。
うん、もう眠くなってきたね。
おやすみなさい。
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