第50話

後日生徒会選挙に出る人たちこのような紙面が配られた。

───生徒会選挙制約───

第1項 生徒会選挙に出る生徒は、自分の魅力について、3分間スピーチを入れること。

から始まり、最後は

第15項 生徒会選挙が、全生徒にとって楽しいものになるように。

と、第1項から第14項まで内容は、普通に誰がこの制約を考えたとしても、出てくるだろうものだったけど、第15項だけは、これを考えた人の個性が出ている。

「………でも、生徒会選挙が、全生徒にとって楽しいものにできますようにか………それって可能なことなのかな?」

「私は、可能だと思いますよ」

「そうか?………って、いつのまに俺の横にいた!?」

「いつのまにもなにも、席が隣なのですから、最初からですけど?」

「え、ああ、そうだったわ………」

なんか、もの凄く恥ずかしいよ!!

というか、失礼だったよな。隣にいるのに、その存在を忘れているだなんて。

「麗華は、なんで全生徒にとって楽しいものになるって思うんだ?」

「理由ですか、それはですね。………まあ、佑樹にも何れ分かることですから、今は言いません」

「えー、そこまで言ったのなら教えてくれてもいいと思うんだけどなー。それに、もの凄く続き気になるし」

「ふふ、そうですか。でも、言いませんよ。先ほども言いましたけど、佑樹にも何れ分かることですから」

麗華は、笑顔を浮かべながらそう言った。

………俺に生徒選挙の楽しみなんか本当に分かるのだろうか。

そして、朝のSTが始まるのだった。

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