第51話

「ねえ、佑樹君。生徒会選挙制約もう読んだ?」

「ん?ああ、読んだよ」

今の状況を説明すると、俺と真琴ちゃんが、机を挟んで向かい合っているという感じである。

「そう。あれだよね。佑樹くん最後の項目は、なかなか凄かったね」

最後の項目とは、皆が楽しんでできるというやつだろう。

「そうだね。あんなこと本当にできるのやら。クラスメイトは、絶対そうなるとか言っていたけどな」

「ふふ、そうなの。でも、私もそのクラスメイトさんと同じ意見かな」

真琴ちゃんがそう言う。

「そう?だって、俺は、生徒会選挙なんていうものは、唯の人気投票としか思っていないんだぞ。それに、俺以外にも生徒会選挙を人気投票としてか思っていない奴は、まあまあな数はいると思うんだけどな」

生徒会選挙を人気投票としてか思っていない人は、俺の他にたくさんいる。俺は、そんなふうに思っている。特になにか根拠があるわけでもないのだけど。

「まあ、佑樹くんならそう言うと思ったよ。でも、それってさ、今までの生徒会選挙がそうだっただけでさ、今回の生徒会選挙は、違うかもなんだよ?」

「まあ、そりゃそうだけどさ。でもな」

「まあ、ともかく、佑樹くんにとっても今回の生徒会選挙は、楽しいものになると思うよ」

その後、真琴ちゃんは、用事があるからと言って、リビングから出て行くのだった。

「………はぁー、なんであんなに自信満々なのかな………」

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