第37話
次の日の朝。
俺は、いつかの時のように朝早くから生徒会室にきていた。
仕事がやばいって言うのもあるけど、朝早くから生徒会室に来た本当の理由は、違う。
華撫に話しがあるからと言われたから来ているのだ。
で、生徒会室に入る。これもまたいつかの時ように私服姿にの華撫がいた。
「おはようございます」
「うん、おはよう。和泉君。どう今日の服?」
「似合っていると思いますよ」
「そっか。それはよかった」
「…………いきなり聞くようですいませんけど、俺を呼んだ理由って何故ですか?」
「本当、いきなり聞くね。時間はまだたっぷりとあるのにね。急いでいる理由ってどうせ副会長の仕事が終わりそうにないから無駄時間はいらん!みたいな感じでしょ?」
「無駄時間はいらん!って程じゃないですけど、極力無駄時間をなくしたいだけです」
「私と話す時間は無駄って言うのね……とほほ」
「なんですか、とほほって。それに別に華撫と話すことを時間の無駄だなんて思っていませんよ」
「そう………それはよかった」
っく!私服で頬を赤くするのは反則だろ!
か、可愛いすぎる!
「で、和泉君を朝から生徒会室に呼んだ理由だっけ?」
「はい」
「私が和泉君を呼んだ理由は、和泉君に頼みたいことがあったからなんだよね」
「俺に頼みたいことですか?」
「そう。和泉君に頼みたいこと。考えてみてよ」
「わかりました」
俺に頼みたいこと?って言われてもな。全然思いつかないぞ?生徒会長の仕事を手伝ってくれってそんなわけはない。だって、華撫はもうすでに終わってるわけであって、それに自分の仕事すら終わってない俺に頼むはずがないからな。
「ヒント貰っていいですか?」
「うん、別にいいよ。ヒントはね、生徒会選挙かな」
……生徒会選挙?と言われてもねーわかんないわ。
「わかんないですね」
「本当?凄いいいヒントだと思ったのになー。んーとじゃあ、もうこれでいいかな?でも、これだとヒントってよりも正解だしな………」
なにやら、華撫は悩んでいるようだった。
「ま、いっか。生徒会選挙に出るために必要なこと、たぶん和泉君も1回は目を通していることだと思うよ」
俺が1回は目を通している?…………うん、わかんないな。例え目を通していたとしても、俺生徒会選挙とか全くもって興味がないのだから記憶に残っているはずがないよな。
「わかんないですね。だって、僕生徒会選挙とか全然興味がなかったものでして、なので1回は目を通したかもしれないですけど、覚えてないですね」
「そっかー。ま、そうだよね。だから、私は君を生徒会副会長にしたんだからね。じゃあ、言うよ、私が君に和泉佑樹君にお願いしたいことはね………私の推薦人になって欲しいの」
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