第34話
「ねえ、佑樹君?」
「ん?なに真琴ちゃん?」
「私近々生徒会選挙があるって聞いたんだけど、それって本当なの?」
「本当なのかは、分かんない。でもたぶんあるじゃないかな?」
「そう。まだ、正確には佑樹君にでもわからないか。」
「あ、そういえばさ、真琴ちゃん生徒会の件えってどうなったの?」
「それがね、後あとからなかなか会う機会がなくてなにも話が進んでないの…………だから、生徒会選挙があるなら、私が生徒会長になれるチャンスがあるなーと思ってたんだけどね」
「そうなの。でも、新しい生徒会長になったら俺生徒会副会長じゃなくなると思うけど?」
「むー、佑樹君は分かってないな」
「なにが?」
「本当になにもわかってないんだね。佑樹君は。じゃあ、ヒントを言ってあげる」
いやー、ヒントとか言われてもね……………、本当俺分かんないしね。
「ヒントは、私が生徒会長になります」
「それだけ?」
「うん」
私が生徒会長になりますってだけか…………うーんやっぱり分かんない。
というか真琴ちゃんが生徒会長になったところでどうなるんだ?どうもならないと思うけど?
だって生徒会長になれたところで、貰える権利なんて生徒会役員を選べるだけなんだけどな…………生徒会役員を選べる?
「…………生徒会役員を選べる」
「お、佑樹君少し分かってきたみたいだね」
「真琴ちゃんが生徒会長になったら、俺を生徒会副会長にするとか?」
「そう、正解!よく出来ました」
嘘、まじそれ!もし、華撫も生徒会選挙に出るとしたら、たぶん出ると思うけど、それで華撫が生徒会長になったとしたら、俺結局生徒会副会長ままなのでは!?
そ、そんなの嫌だよ!!もう、俺あんな仕事したくないし、3ヶ月で十分だ!
「ま、真琴ちゃん考え直さないかな?」
「なんで?もしかして、私が生徒会長だと嫌なの?」
「そういうわけじゃなくてね、別に真琴ちゃんが生徒会長になることは一向に構わないよ。でもね、俺を生徒会副会長にするのだけは止めて欲しいっていうかね…………」
「じゃあ、他の役員ならいいの?例えば、書記とか?」
「それも出来れば止めて頂きたいと言いますか、端的に言うなら生徒会役員にして欲しくないんですよ」
「なんで、私じゃいやなの?」
「だから、そういうこと言ってるじゃなくて、俺は、生徒会の仕事をもうやりたくないんだよね」
「なーんだそんなことか。じゃあ、私が一緒にやってあげるから大丈夫だよ!」
真琴ちゃんがとってもいい笑顔でそう言ってきた。
「はい、そうですね…………はは」
真琴ちゃんが生徒会長になるのは嫌だなーと俺は思うのだった。
◇◆◇◆
「ねえ、華撫?」
「ん?なに八ちゃん?」
「華撫さ、今度の生徒会選挙にも出るつもりなんだよね?」
「それは、勿論。だって、私決めてるもん。高校生の内はずっと生徒会長でいるって」
私の親友は、頑固なところとか私と似ているところがある。
「それに、生徒会選挙。八ちゃんも出るんだよね?」
「うん」
「じゃあ、勝負だね」
華撫は私に笑顔でそう言ってきた。
「じゃ、私こころで」
「うん、じゃあね」
そして、私と華撫では別れた。
私が通っている学校の生徒会選挙は、推薦人がその立候補者のことを紹介する。
そのあと、立候補者の演説をするそういった流れだ。
但し、原則として推薦人がいないと立候補できない。
「…………私も早く推薦人見つけないと」
もうすでに、生徒会選挙の勝負は始まっているのだ。
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