第30話

そして、数時間後。

そこには、疲れはてた、2人の女と1人の男がいた。

「ねえ、華撫さん。あれの、なにが少ない方なんですか?普通に多かったですけど」

「あんなの、序の口だよ」

その言葉を聞いて更に俺は絶望するのであった。

……じゃあ、華撫が多いって言う量でどれくらいなんだよ。

「それは、そうと和泉君」

「はい、なんでしょうか?」

「君は、いい妹さんを持ったね」

「なんですか、いきなり」

「いや、今日勉強教えて貰ったでしょ。そこでね、はは」

はたして真琴ちゃんはなにをしたんだろうか?

で、その華撫に勉強を教えた真琴ちゃんの方はというと、疲れはてて寝てしまっていた。

だから、どんな勉強会をしたのさ。

普通に勉強やったら、こんなにカオスな雰囲気になるはずがないもんね。

「そうだ、和泉君。今日は家でご飯食べていかない?」

「はい?」

「だから、今日この家で食べないかって言っているの」

「そう言うことでしたか。えーと、どうしましょう」

本当どうしよう。本心から言えば、ものすごくご飯を頂きたい。だって女の子の家に、しかも先輩の家でこうしてご飯を貰えることもあんまりないと思うし………………。でも、申し訳ないんだよね。ご飯を作って貰うってことがね。

「えーと、今回は遠慮しますよ」

「そう?でも、和泉の妹さんは疲れているみたいだけど?」

確かに、そうだったな。俺が真琴ちゃんを家までおんぶして行くってことも可能ではあるけど、そんなことしたくないし、それに真琴ちゃんとしても寝てた方が体を休めることが出来るから。

「じゃあ、頂きます」

「わかった」

そう言うと華撫は、ゆっくり立ち上がり、キッチンの方へと歩いて行った。

こうして、俺は華撫の家で夕食を食べることになった。


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