第26話

そして、猫カフェに来たのはいいんだど……………猫が嫌いってこと忘れてた。

それを今思い出した馬鹿が俺です。

でも、猫が嫌いってとこ麻琴ちゃんに見せるわけにはいかないし、だってこれ麻琴ちゃんの誕生日の埋め合わせだから。

そんなことを知るはずがない、麻琴ちゃんはこっちに抱っこしてきた猫を俺の方に

「可愛いでしょー」

と言いながら近づけてくる。

正直言って俺には、なにが可愛いのかがわかないだって、猫って、毛玉みたいなものだよね。だから、俺はなにが可愛いのかがわかんない。

でも、可愛いねと言う俺であった。

最初こそ、俺に猫の可愛いところとか、いろいろと話しかけてきたけど、次第に俺のことなんか忘れて、猫たちと遊んでいた。

そんな麻琴ちゃんの姿は、すごく無邪気で、とても楽しそうだった。

だから、俺は、猫カフェに来て良かったと思った。

そして、猫カフェの後、麻琴ちゃんがどこで昼御飯食べる?と聞いてきた。

だが、俺はすぐに答えることが出来なかった。

何故なら、ノープランなのだからね!

だから、俺はこっそりと携帯で近くの食事処を調べた。

そして、俺は猫カフェから一番近い食事処がいいなーと思ったから、

「食事処【イレブン】でいい?」

と一番近い食事処の名前を言った。

「どんなところなの?」

「えーとね」

やべえ、そんなこと俺知らないよ⁉だって、さっき、調べただけだから。

どうしよう!ここで、パスタがおいしいらしいとか言って、言ってみたら、パスタなかったらだめだし…………じゃあ、あの手を使うしかない。

「ま、そういうのは、行ってみてからのお楽しみってことで。だって、そっちの方が楽しいでしょ」

あの手というのは、誤魔化すことだ。

誤魔化せば、相手も知らない店だから、なにも疑問に思わないはず!俺って天才!

「わかった。じゃ、行こっか」

「そうだね」

それから15分程歩いたところに、食事処【イレブン】があった。

見た目は、普通の喫茶店だった。

「ねえ、佑樹くん!」

「ん?どうした」

「食事処【イレブン】ってあれだよね!」

「そうだよ」

「なんか、喫茶店みたいだね」

「ね、食事処って名前にあるのにね」

「確かに、でも、ありがとうね!私、喫茶店行ったことなかったんだよね」

「そうなの?行ってそうなのに」

「そう?私ってそんなに喫茶店行ってそうに見える?」

「見えるよ」

「そっかー。ま、そんなことどうでもいいことだし、早く、行こ!」

「はいはい、そんな急がなくても店は逃げないよ」

「わかってるよ。でも、早く行きたくてうずうずしてるの」

「はは、そう。じゃ、走って行くか」

「うん!」

麻琴ちゃんは、満面の笑みでこっちをみてきた。

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