第24話
朝御飯を食べ終わって、麻琴ちゃんが皿を洗い終えたところで、
「ねえ、麻琴ちゃん、今日俺と一緒に出掛けないかな?」
と提案したのだが………
「……………………」
麻琴ちゃんは、こっちの方を少しだけ見て、すぐに視線を反らしてしまった。
まだ、俺が誕生日忘れてたこと怒っているのかな?
確かに、俺が忘れてたのは、悪いと思うけど、でも、ここまで、拒否することもないと思うんだけどな。
「……………お願いの仕方が違う」
「え?」
今麻琴ちゃんなんて言った?
お願いの仕方が違うとか言った?
「だから、お願いの仕方が違うって言ってるでしょ!」
俺は、麻琴ちゃんの気迫で反射的に「はい!」
と言ってしまった。
そう、言ってしまったんだけど、俺はさっきのお願いの仕方で合っていると思っているんだよね。
だから、なにが違うのかわかんない。
「まさか、わかんないと言わないよね?」
麻琴ちゃんが少し不安そうにこっちを見てくる。
「わかんないわけないでしょ!」
なに言っているんだよ俺!なにがわかんないわけないでしょ!だ。そこは正直にわかんないって言うところだろうが!
そんな時だった。テレビからこんなことが聞えた。
「最近の若者は敬語の使い方をわかっていないですね」
と。そして、俺はそこで閃いた。
──敬語にしろってことか!
ってことに。
「麻琴ちゃん、お願いがあるんですけどいいですか?」
「いいよ」
「俺と一緒に出掛けてくれないでしょうか?」
「うん、いいよ。じゃあ、私着替えてくるから、待ってて」
「うん」
麻琴ちゃんはとても嬉しそうに、リビングから出ていった。
それじゃあ、俺も準備するとするか。
と、その前にお母さんにお礼言っとかないとね。
「お母さん、ありがとうね」
「ん?なんのこと、私なにもやってないけど」
そう、お母さんは言った。
まあ、そういうところがお母さんらしいよな。
そして、俺は麻琴ちゃんと出かける準備をしに自分の部屋に行った。
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