第23話
そして、次の日の朝。
俺は朝から悶々としていた。
麻琴ちゃんにする埋め合わせをどうするか。
麻琴ちゃんが、初めてなわけで、今まで埋め合わせみたいなことをやったことがないからなにをすればいいのかわかんない。
…………お母さんももう少しぐらいアドバイスしてくれてもいいと思うんだけどね。
だけど、時間はどんどん過ぎっていき遂に朝御飯を食べる時に会ってしまった。
正直言って気まずい。それに、麻琴ちゃんがなにも話さないことも相まってより気まずくなっている。
そんな姿を見たお母さんが、仕方ないね。と言いたげな顔でこっちに一瞬だけこっちを見た。
「麻琴ちゃんって、なにか好きなことってあるの?まだ、そういうの、私全然知らないからさ」
「好きことですか?これと言ってなにか特定のものが好きとかそういうのはないですね」
「そう。強いて言うなら、なんかないの?」
「強いて言うならですか。んーと、それなら、猫を見ることと、本を読むことですかね」
「そう。ちなみに、猫のどこか好き。実はね、私も猫大好きなのよ」
「え、そうなんですか!」
「うん、なんて言うかさ、猫って日頃の辛いことを、浄化してくれるっていうか、癒されるからね」
「あ、それ私にもわかりますよ。猫って、私のこと癒してくれますよね」
それから、お母さんと麻琴ちゃんが猫のことについての話しが1時間程続いた。
なにが、特定のものを好きではないだよ、猫のこと本当に好きじゃないと、そんな1時間も話し続けれるわけないでしょ。
そんな風に、思う俺であった。
でも、お母さんのおかげで、麻琴ちゃんにする埋め合わせを決めることができた。
猫カフェに行こうと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます