第22話
帰り道も真琴ちゃんは、機嫌を損ねたせいで、なにも話さなかった。
そして、真琴ちゃんがお風呂に入ったあと、今は、リビングにてお母さんによる尋問を受けていた。
「いい佑樹、女の子の誕生日ってものは覚えておくものなのよ」
さっきからその言葉何回も聞いているんですけど…………
真琴ちゃんが機嫌を悪くした理由は、俺が食事中にトイレにいったことではなくて、俺が真琴ちゃんの誕生日なのになにもしてくれなかったかららしい。
でも、仕方ないと思わない?だって、真琴ちゃんの誕生日完全に忘れていたんだもん。
そうさ、人間誰しも忘れることはあるんだから!
「どうせ、忘れることは誰でもあるとか言いたいんだろうけれどさ、もう、過ぎちゃったことは仕方ないんだし、明日しっかり埋め合わせしてあげなさいよ」
「……わかった」
埋め合わせって言われてもね。なにすればいいのかわかんないわ。
買い物でもいけばいいのかな?でも、そうするには、今から真琴ちゃんのところに行かないといけないし…………
だから、お母さんに聞くことにした。
「なあ、お母さん。埋め合わせってなにすればいいの?」
「あんたって子は、本当つくづく駄目だわね。いい、あんたが、真琴ちゃんがされて嬉しいことを考えてそれを実行すればいいのよ」
「そう言われましても…………」
「もう、私は知らないからね」
そう言うとお母さんは、リビングから出ていってしまった。
もうちょっとぐらい、息子にアドバイスくれてもいいと思うんだけどね。
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