第19話

そして、放課後。

場所は教室ではなく図書室。何故教室ではなくなったのか、それは、先生が放課後は教室に入らないでと言ってきたからだ。

っていうか本当この仕事今日中に終わるわけ?

だって、めっちゃ量多いよ?これは、本当終わる気がしないわ。

「佑樹は、彼女とかいますか?」

「え?いないよ」

いきなりのことでびっくりしたわ。麗華ってそういうの興味あるんだな。なんか、ザ・学級委員って感じで、そういうお色気話には、全く興味を持っていないものだと思っていたよ。

「へー、じゃあさ、好きな子とか?」

「それもいないかな」

麻琴ちゃんは、好きだっただし。まあ、いいよね。

まあ、今でも兄妹として麻琴ちゃんのことは大好きだけどさ。

「そう。わかりました。私にも脈ありってわけですね」

「?」

今脈ありとかどうとか聞こえなかったか?まあ、俺の気のせいだよな。

「そういえば、1年1組の和泉麻琴さんてさ、佑樹の妹だったりするのですか?」

「うん。そうだけど。よくわかったね」

「まあ、なんとなくですね。調べようと思えばこんなの朝飯前ですしね」

「調べる?」

「ん?ああ、言ってなかったでしたっけ。私社長令嬢なのですよ」

「へえー、どこの?」

「瀧本財閥」

「た、瀧本財閥!?」

「そんなに驚かなくてもいいと思いますけど」

「いや、驚かなくないでしょ!だって、あの瀧本財閥だよ」

「あの瀧本財閥だよとか私に言われてもよくわかんないですけど。それよりも、今度私の家に来てみませんか?」

「それは是非!」

「じゃあ、今度迎えいきますね」

「わかった」

俺は、凄い人と知り合えたかもしれない。

図書室から出る時に、「図書室では、もっと静かにしてくださいね。生徒会副会長」と言われたのはまた別の話である。

というか本当なんで俺が生徒会副会長になるって知っているわけ?

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