第12話
「華撫はね、人を見抜くのが上手いの。だから、佑樹が、生徒会に興味がないということがわかったの」
「?どうして俺が生徒会に興味がないってことが分かったのかは、分かんないけど、まあ、そういうことのしておこう」
「で、あの時華撫は、貴方をゲームみたいに育成したいって言ったでしょ」
「うん」
「つまりは、華撫は、自分以外を、モブキャラだと思っているの」
俺には、今八兎が言ったことが、理解することができなかった。
「そ、それは、どういう意味だ?」
「だから、華撫は、ギャルゲーにおける、主人公で、他の人は、攻略ヒロインみたいな感じなの」
やっぱり、意味がわかんない。
あの生徒会長が、ギャルゲーの主人公?それに、俺が攻略ヒロイン?それで、なんで俺を生徒会副会長に選んだ?
「まだ、わかっていないみたいだね」
「うん、仮に、生徒会長が、俺たちをモブキャラだと思っているのも、人を見抜くことが上手いこととしても。でも、なんで、生徒会長が俺を生徒会副会長にしたのかがわかんないんだ」
「?どういうこと?」
「俺を生徒会副会長にしなくてもよかったんじゃないかってさ」
「それは、たぶん、華撫が、最も攻略したいからだと思う」
「はあ?」
なにを、八兎は、言っているのだろうか。俺を最も攻略したい。それが、なんで、俺の役職が副会長という役職にしたのかわかんない。だって、そういう理由なら、他の役職でもよかったはず。
「佑樹って、物分かり悪いね」
「わ、悪いな」
「私もそろそろ帰りたいから、これで最後だから」
「宜しく」
「華撫が、一番佑樹のことを気にかけているっていうわけなの」
その時の八兎の声は、どこか刺があった気がした。
「じゃあ、私帰るから。あ、会計宜しくね」
「おう」
って、なんで俺普通に奢ってるわけ!?
◇◆◇◆
帰り道。
俺は、最後八兎が言ったことを思い出していた。
「一番気にかけているかー。そんなことなんてないと思うけどな」
そして、家に着くと、少し怒った様子の麻琴ちゃんが玄関に立っていた。
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