第11話
そして、喫茶店。
なんということか、この最初に接客してくれた店員さんが前に麻琴ちゃんと昼御飯を食べたお店の店員さんと一緒の人だったのだ。だからなのか、視線が痛い。
だって、前は、麻琴ちゃんと二人で昼御飯を食べたわけで……
実を言うと兄妹なんだけど、端から見たら恋人に見えるわけで……つまりは、もう帰りたい。っていうか、この人何個バイト掛け持ちしてるわけ!?
「あのー、ご注文は、決まりましたか?」
店員さんの顔がどことなく、ひきつっている気がするのだけど。たぶん、俺の気のせいだよね。
「はい、私は、カフェラテで」
「じゃあ、俺は、アイスコーヒーで」
「はい、かしこまりました」
うん、やっぱり、気まずい。
「で、さー。なんで、華撫が佑樹を生徒会に入れて、生徒会副会長にしたと思う?」
「えーと、それが、わかんないから、今こうして、喫茶店に来ているはずなんだけど?」
「はは、そうだね!でさ、話逸れるけど、なんかさっきの店員さんがひきつった顔してた気がするんだけど、なんでかわかる?」
「いやー、わかんないなー」
「そう」
「そ、そんなことよりもさ、早く教えてくれない?」
「まあまあ、そんな焦らずさ。時間は、たっぷりあるわけだしさ」
「はあ、わかったよ」
その時ちょうど、カフェラテとアイスコーヒーがきた。
「あ、ありがとうございます」
店員さんは、カフェラテとアイスコーヒーを届け終わると、当然俺の耳の近づけて小さな声で
「聞くのは、少しながら、失礼かもしれませんが、もして別れましたか?」
「え?いや、違いますよ」
「?そうですか 。では、ごゆっくり」
店員さんは、んー、私の勘違いかなーとかいいながら厨房の方へと戻っていった。
なんか、俺ミスした気がする。
なんで、あの時『いや、違いますよ』とか言ったの!?あそこは、前のは、妹ですよとか言っておくべきだったんじゃないのか!あ、でも、そんなこと言った矢先には、八兎に追及されそうな気がするし、まあ、あれが最善策だったのだとしておこう。
「佑樹なんて言われたの?」
「え、えーと、ご兄妹ですか?ってね」
「へー、それにしては、なんか、佑樹顔赤くしてた気がするんだけど」
「それは、たぶん見間違いだよ」
八兎は、なにかわかったような顔をして、
「ふーん、まあ、そういうことにしといてあげる」
と言った。なにか、わかったんだろうか?
「うん、そうしてくれるとこっちとしてもありがたい」
「やっと、カフェラテもきたわけだし、なんで華撫が、佑樹を生徒会副会長にしたか、教えてあげるよ」
そうして、八兎は、何故俺を生徒会長が、生徒会副会長にしたのかを話しだした。
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