第10話

えっぇぇぇぇぇぇ!!!

な、なにを言っているんだ!この人は!

俺に生徒会副会長になれだって?無理だろ!

というか、生徒会副会長になるってことは、別の言い方で、私の右腕に成れって言われいるってことだよ!

「?どうしたの?」

生徒会長さんが、不思議そうにこちらを見てきた 。

「なんで、そんな不思議そうな顔するんですか!だって、さっき俺言いましたよね、生徒会に興味がないって」

「うん、言ってたね」

「それで、なんで、生徒会副会長になってほしいって言うですか!?」

「なにか、おかしい?」

「はい、おかしいです。特に興味ないって言った奴に生徒会副会長になってほしいとか言ったところとか」

「そう?私は、そうは、思わない。興味がないからこそ、その人に興味をもって貰えるようにするのが楽しいんだし」

「なにを言ってるんですか?」

「さっき、佑樹君言ったでしょ、生徒会には興味がないって」

「はい」

「私は、そういう人を求めてたんだよ」

「はあ?言ってる意味がわかんないんですけど」

「だから、私は、興味ない人を興味を持つようにしたいの。つまりは、私は、貴方をの」

今この人なんかおかしいこと言わなかった?

貴方をのとかそんなこと、っていうか、育成ってなに!?

「はは、なんか俺今育成とか聞こえた気がするけど、たぶん、空耳だよね」

「空耳じゃないけど」

「っぅ、げ、現実を突きつけないでくれます」

「ってことだから、宜しくね」

「いや、だから、いいとは言ってないけど!」

「あ、言うの忘れてたけど、佑樹君に拒否権ないというか、佑樹君が生徒会副会長になることって決定事項だから」

最後の最後で、爆発をぶちこむ、彼女であった。

じゃあ、今ままでの茶番はなんだったんだよ!

◇◆◇◆

生徒会室を出てすぐ声をかけられた。

「はは、君もなかなか難儀だね」

そう言ってきたのは、さっきの生徒会室に一緒に入った彼女だった。

「はは、そうですね……まさか、生徒会副会長になるなんて」

「そう言えば、名前聞かないんだね」

「安易に人の名前を聞くのってよくないと思いますので」

「へえー、そうなんだ」

「そうです」

「あのさー、敬語やめよ」

「え?でも、貴方って先輩ですよね?」

「そうだね。先輩だね」

「なら、敬語使うのって普通です」

「ああー、まあそうなんだけどさ───

彼女は、今まで陽気な顔だったのに、暗くなり

「───君は、私よりも、役職が高いんだからさ、私からしたら一応君は、私のになわけ。だから、敬語使うのやめてよ」

俺は、この時確信した。この人は、上へ上へと這い上がっているんだと。

だから、いきなり俺に生徒会副会長という役職が与えられたことが気にくわなかったと。

「はい、わかりましたよ。先輩」

「あと、先輩って言うのもやめて」

「じゃあ、なんと呼べばいいの?名前知らないんだけど」

「私の名前は、八兎夢やとがみゆめ

「じゃあ、八兎でいいかな?」

「いいよ」

「わかった。じゃあ、俺は、この辺で」

「ちょーと待った!」

「なに?俺早く帰りたいんだけど?」

「佑樹はさ、なんで、華撫が、佑樹を生徒会副会長にしたか知りたい?」

「それは、わかることなら、知りたい」

「じゃあ、今から、喫茶店行こう!」

「わかった」

その時の、八兎の声は、どこか嬉しいそうで、どこか期待しているような声だった。


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