第4話

【カップル4】

文学少女×作家少年(#1)



少女「ねぇ、何を書いているの?」


少年「無口な少女に恋する男の子の話」


少女「その男の子はどうして女の子を好きになったの?」


少年「うーん、どうしてだろうね。色んな恋物語を書いてきたけれど、結局人が恋をする理由なんてはっきり説明できるものじゃない気がするんだ」


少女「……そっか」


少年「ただ、なんとなくはわかる」


少女「教えてくれる?」


少年「少年は、その女の子と一緒にいる時間がどんな時よりも幸せに感じるんだ」


少女「一緒にいたいって気持ちは、好きだから生まれる気持ちってこと?」


少年「そうだね。僕はなんとなく、それが恋だと思う」


少女「もしそれが恋なら」


少年「恋なら?」


少女「……ううん、なんでも、ない」

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