飛鳥

50の質問：雉

１　まず、お名前をどーぞ。正式名、本名などあればそちらも。

　　　――雉。本名は、ダレイオフ＝ケイ。よろしく。

２　あなたの性別・髪や瞳の色・体格・民(種)族など（あれば）身体的特徴を教えてください。

　　　――性別は、男だよ。見れば判ると思うんだけど（笑）。

　　　髪は銀、瞳は黄緑。背は、鷲ほど高くない。

　　　痩せても太ってもいないから、自分では普通だと思ってる。

　　　ナカツイ王国出身。いわゆる、〈山の民〉だね。

３　あなたの故郷について語ってください。

　　　――ナカツイ王国の山岳地帯……どう言ったらいいのかな。

　　　周囲は、全部山。万年雪が積もってる。聖山があって、巡礼者が多い。

　　　おれの故郷は、そういう巡礼者や、商人達との交易でもっていた村なんだ。

　　　今はもう、無いけれどね……。

４　あなたが今いる国(都市・土地)について教えてください。

　　　――あちこち移動しているから、どこのことを言ったらいいのかな（笑）。

　　　最終的には、《星の子》の居る〈黒の山〉に落ち着きそうだよ。

　　　キイ帝国とニーナイ国の国境にある聖山。

　　　ルドガー神の居城と言われるところで、やっぱり巡礼者が多いね。

５　あなたの職業(地位・称号)は？

　　　――天人（テングリ）って呼ばれているけれど、これって職業？

６　あなたの家族について教えてください。

　　　――全員死んでしまったけれど、両親と、妹と弟がいた。

　　　今は、仲間と暮らしている。

７　あなたが今身につけている服装について教えてください。あれば武器防具アクセサリなども。

　　　――これ？　ええと、木綿の上着に、脚衣（ズボン）。革製の靴。

　　　その上から、毛長牛（ヤク）の毛を織って作った外套（チュバ）を着ている。

　　　暖かいんだよ、これ。

　　　武器は持っていない。調理用の小刀を一つ。

　　　装飾はつけないけれど、チュバの刺繍は綺麗だな……マナがしてくれたのかな？

８　あなたの信仰(宗教・伝説など含む)について教えてください。

　　　――故郷の神話を信仰している。おれは、ウィシュヌ神派なんだけど。

　　　自分が化身（アヴァ・ターラ）と呼ばれることには、抵抗があるね……。

９　上司・主君などはいますか。どんなひとですか。

　　　――そんなのはいないよ。

10　恋人(夫・妻)はいますか。どんなひとですか。

　　　――いない……好きな人はいるけれど。

11　特殊技能などあれば教えてください。

　　　――おれの能力……特殊技能って言うのかな？　

　　　怪我や病の治癒と、念話が出来る。念動が少し。

　　　ルツと鷲の助けがあれば、もっといろいろ出来るそうだけれど、あまり使いたくない。

12　体を動かすのは得意ですか。動作は速いほうですか。力は強いですか。

　　　――得意じゃないんだ。それで、鷲に莫迦にされる。

　　　動作も速いわけじゃないし……人並みだと思っているんだけど、駄目かな、やっぱり。

13　書物は読めますか。読むのは好きですか。

　　　――読めるけれど、文字の種類は限られるよ。習う機会がなかったからね。

　　　キイ帝国の文字は、鷲が使っているのくらいしか、判らない。

14　喋るのは好きですか。母国語以外に話せる言葉はありますか。

　　　――好きだけど、嫌いな奴とは話をしたくない。

　　　母語しか駄目だけれど、ナカツイ王国の言葉は交易語としていろんな国で使われているから、助かってる。

15　行ってみたい所はありますか。それはどんなところですか。

　　　――特に思い浮かばないな。故郷がどうなっているか、確かめてみたいけれど……。

　　　あと、鵙（もず）と鳶（とび）の墓が……。

16　好きな食べ物は何ですか。それはどんなものですか。

　　　――果物が好き。葡萄とか、野苺とか、桃とか。

17　嫌いな食べ物は何ですか。それはどんなものですか。

　　　――何でも食べるよ、おれは。

　　　猿の脳は駄目だけど……あれって、食べ物かい？（笑）

18　朝起きてまず最初にする事は？

　　　――ぼーっとしてる。寝起き、悪いんだ。

19　夜寝る前に必ずする事は？

　　　――ウィシュヌ神に平和を祈っている。……時々、忘れるけれど。

　　　駄目だな（笑）。

20　苦手な人はいますか。どんなひとですか。

　　　――鷲。あいつには、敵わない。いろんな意味で（笑）。

21　尊敬する人はいますか。どんなひとですか。

　　　――これも、鷲かな。あいつの度量の大きさには、感心する。

　　　本人には言わないでくれよ。つけ上がるから。

22　死んでもやりたくない事はありますか。それはどんなことですか。

　　　――人殺しだね……。

23　もし、ひとつだけ願いがかなうとしたら、何を願いますか。

　　　――おれのせいで死んでしまった人間を、甦らせて欲しい。

　　　家族と、故郷の村人と、鵙と、鳶と、鳶の赤ん坊……。

　　　そうしたら、死んでもいい。

24　もし、あなたに子どもが出来たら、どんな子どもにしたいですか。

　　　――相手がいないから、駄目だよ、おれは。当分、考えられそうにないな。

25　どのように死にたいと思いますか。

　　　――これも、考えたことがないな。

　　　苦しいのは嫌だけど、苦しくない死に方って、なさそうだし。

26　あなたの野望は。

　　　――ええ？（苦笑）

　　　……もし、おれなんかを好きになってくれる人が居たら、その人と、幸せになりたい。

27　自慢話をおひとつ。

　　　――おれに、自慢出来るところなんてないよ……。

　　　鷲と隼と、友人でいてもらえてることかな。

28　今までで一番恥ずかしかった事は。

　　　――恥ずかしすぎて、言えないよ（笑）。

29　今までで一番嬉しかった事は。

　　　――いろいろあるけれど、今は言えない。本編を読んで下さい。

30　今までで一番ショックだった事は。

　　　――能力が暴発した時のこと……。

31　戦争をどう思いますか。

　　　――悲しい。とにかく、止めさせたい。

32　夢はありますか。それは何ですか。

　　　――やっぱり、好きな人と、幸せになりたいと思う。……当分、無理だけど。

33　信念はありますか。それは何ですか。

　　　――信念と言える程のことじゃないけれど……。

　　　武器は持たない。絶対に、戦わない。

34　趣味はありますか。

　　　――料理（笑）。

35　あなたの世界に魔法はありますか。魔法についてどう思いますか。

　　　――おれやルツが使っているのは、魔法と言えるのかな？　

　　　……気持ちよくないね。

36　好きな事は何ですか。

　　　――鷲や隼と冗談を言っている時が、一番好きだ（笑）。

37　嫌いなことは何ですか。

　　　――嫌いなことはしないから、ないよ。

38　大事なものは何ですか。

　　　――仲間。

39　好みのタイプは。

　　　――好きになった人が『タイプ』だから……言ったらばれるだろ？（笑）

40　異性をオトすコツなどあればご教示ください。

　　　――そんなのがあるなら、おれが知りたいよ（笑）。

41　異性遍歴などは。

　　　――ええ？　鷲に訊いてくれよ、そういうのは（笑）。

42　これだけは許せないっということはありますか。

　　　――戦争。

43　死ぬまでにやっておきたい事はありますか。

　　　――やっぱり、好きな人と、幸せになりたい。

44　あなたの世界に竜はいますか。妖精は？　それは、どんなものですか。

　　　――神話では居ることになってるけれど、見たことはない。

　　　居ると、面白そうだね。

45　あなたの世界に魔物はいますか。それは、どんなものですか。

　　　――神話の中には居るね、やはり。

　　　人を殺したり、病にしたりするそうだから、これは、居て欲しくない。

46　雨の日は嫌いですか。その理由は。

　　　――おれ、天気が悪いと頭痛がするんだよ。

47　忘れられない風景はありますか。

　　　――忘れられない……。鵙の笑顔……。

48　戻りたい場所はありますか。

　　　――何も知らずにいられた子供の頃に、戻れるなら戻りたいね。

　　　そんなこと言っているようじゃ、いけないんだろうけれど。

49　作者にひとこと。

　　　――いつか、祟ってやる。

50　読者にひとこと。

　　　――いつも、だらだらと暗い話に付き合ってくれて、本当にありがとう。

　　　長い目で見守ってくれたら、嬉しいよ、本当。

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鷲：　　「猿の脳！」

雉：　　「ナカツイ王家では、食べるそうだよ。宮廷料理だね」

鷲：　　「へえ～。何でも喰って来たように思っていたが、そいつはないなあ。宮廷料理ってことは、美味いのかな？」

雉：　　「（笑いながら）知らないよ。おれだって、食べたことない」

トグル：「羊の脳のようなものか？　ならば、美味（うま）かろう」

鷲＆雉：「羊の脳！」

トグル：「猿は知らぬが、羊は手に入る。今度、料理してやろう」

鷲：　　「お、おう……」

（羊の脳：羊を食べる地域では、カレーなどに入れるそう。モンゴルでも珍味です。）