第87話SIDEヤエ ラージアントを探しましょう狩りましょう
「という訳で、クスノキの冒険者ギルドのギルドマスターから直接
冒険者ギルドの隣りにある宿屋の一室で出迎えてくれたパーティーの反応は真っ二つです。
前衛でパーティーリーダーである腰まである灰色の髪に黒い瞳のカッコイイ系お嬢さんで騎士のシン・デレラさん。
同じく前衛でオレンジ色の髪に茶色の瞳の少女で戦う商人マリ・アキアカネさんは平然としています。
すでにユウさんとは既知であり、わたしとギルドマスターとは親子だと知ってますからね。
それに対し、今回の黄色(D)級の冒険者証を取るための試験を受けに来た・・・
ピンクの髪に赤い瞳の
緑髪に緑瞳の
金髪に碧眼のウッドエルフの少年でレンジャーのフォング・リーンさんは信じられないと大騒ぎしてます。
ユウさん、王都では新進気鋭の商会会頭として有名だもんね・・・
「ヤエさんってお金持ちなんだ!」
「ソンナ事アリマセンヨ」
シべリくんの言葉を即否定しておきます。
ここで少し仲間について説明します。
シン・デレラさんは隣国のマッサチン公国にあるデレラ侯爵家の長子であり嫡子です。
官民交流という名の人材確保のため劉国の学園に来た17歳のお嬢さん。
すでに成人していて、国からは騎士伯位を賜っているとか。
職は戦士系の騎士。
ちなみに回復系の騎士とか魔法使い系の騎士がいるとかいるけど、ひっくるめて騎士というそうです。
またシンさんのように、先代が爵位を持ち、生まれながら騎士と定められる人はテンプレナイツといわれるとか。
スキルは戦士系と回復系を同時に覚え、鼓舞や威圧といった精神に影響するものを習得するようです。
マリ・アキアカネさんは王都でも有数な商家『赤蜻蛉』の令嬢。
どうやら、シンさんとは母方の親戚関係にあるようです。
貴族の娘が出入りしている商家に降嫁とかはわりとあるとか。
職は盾士系の戦う商人。二つの盾を使って敵の攻撃をことごとく受け止めるタンク。
スキルはドロップするアイテムが良くなったり買い取りの色付けや買い物の値引きといった生活系。
生存率を上げるため、攻撃力に優れた戦士か防御力に優れた盾士のスキルを得てこの職に就くそうです。
マリさんは、ソロバンを模した大小ふたつの盾を操って攻撃を防ぎまくるスタイル。
フォング・リーンさんはワ国の北にある大きな島(北海道っぽい)にあるエルフ王国の出身で最近冒険者になった人。
御年160歳だけど、精神年齢と見た目は16歳の少年といっていいです。
職はレンジャー。弓士の上位互換種にあたり、弓の扱いに長け、斥候や罠の設置に解除が得意だそうです。
スキルは弓術を中心に盗賊系の初期スキルを習得していくそうです。
魔法使いのマキ・トンプソンちゃんと戦士のシべリ・アン・ハーキーくんは劉国の北部にある同じ村の幼馴染みです。
彼らは、どうせ冒険者ギルドに登録するなら、王都で登録しようと王都の冒険者ギルドに来たのです。そのとき知り会いました。
職やスキルは汎用なので説明は省きますね。
「で、ギルマス殿はなんと?」
「最下層でラージアントの目撃情報があったので、その確認と、できれば討伐という
シンさんの質問に
「ラージアントって、このダンジョンでしか発見されてないレアモンスターでしょ」
「うちの商会でも、認定されたドロップアイテムの初回買い取りに金貨1枚の懸賞がついてるわ」
マキちゃんとマリさんの目の色が変わります。
ラージアントは、その目撃情報から大顎が短剣系の武器に外皮が防具の素材になると見られているらしいです。
「しかも冒険者ギルドの
マリさん曰く、冒険者ギルドの
「それなら、素材集めの常時
疑問に思って尋ねたら、未確認部位が常時
最大の理由は、討伐部位が決定されてない。
素材が持ち込まれ、鑑定され素材として認定されないとダメらしい。
では討伐
被害が、発見されたとき以外に出ていないのが理由。
発見情報の常時
今回の発見者は、ラージアントの再確認と討伐
理由は、このあと指名の
偽の目撃情報で最も安い硬パン一個分のお金を稼ぐのはたまにあるらしいけど、今回は小なりとはいえダンジョン最下層だからその可能性はないと意見が一致した。
まあ、今回の目撃情報はユウさんの自作自演なんだけどね。
「短剣か」
フォングさんがアップを始めました。
そういえばフォングさん、希少武器コレクターでしたね。
出会いは王都の毘沙門で、フォングさんが
今回、上手くいけば討伐証明書付き初期製造武器入手のチャンス。荒ぶるのも仕方ないですね。
「はいはい。急ぐ気持ちは解るけど、予定は変えないよ。今日は連携確認も併せて3層まで」
シンさんがパンパンと手を叩く。
「
マリさんが笑いながら逸る3人をたしなめます。
クスノキダンジョンの地下6階の攻略目安は冒険者。
ダンジョン内なら、ギルドカードさえ身につけていれば死のリスクは大いに減少するけど焦りは禁物です。
「でも、食糧や傷薬、MP回復薬といった消耗品は多く仕入れておこう」
マリさんもヤル気アップです。
「攻略書はどうします?買います?一応上級の攻略書があるようですが」
「攻略書を作るのも試験だから、そこは手を抜けない」
私の提案にシンさんはきっぱり断言します。
初級、中級、上級の冒険者で求められるクオリティーは違いますが、ダンジョン攻略書の作成は重要な試験項目です。
試験において先達の書いた攻略書を丸写しする新米冒険者もいますが、この程度で手を抜く冒険者はこの先、生き残れません。
「それに、ここのダンジョンが成長してる可能性がある。先入観は思わぬ見落としを産むからね」
シンさんの言葉に全員が納得しました。
「」
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