第73話冒険者との追いかけっこ(こっそり仕掛ける)
パーティー名「ドラゴンテール」のメンバーは身の上に起こった不幸に対してあらん限りの呪詛を吐いて・・・はいなかった。
すでにパーティーとして
パーティを解散するにしてもすべてが終わった後だ。
ちなみに今回の罰則は、今回は鎧を奪われり破損した場合は鎧の代金である大金貨1枚(青銅貨で100万枚)の賠償。
白級の冒険者が受けられる
もっとも、失敗すればいくらかの信用毀損にはなる。解散までいかなくても何人かは抜けるかもしれないだろう。
『では始めマス』
使い魔として使役し、育てると使えるようになる視覚同調というスキルを使って、俺に状況を実況していた
マリーが絡まれたのをいち早く察知したのもこのスキルと思念のお陰だ。
なお、視覚同調以外に聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感全て同調するスキルは既に習得済である。
ただし、嗅覚、味覚、触覚は通常はオフにしてある。特に嗅覚と味覚は厳重封印中だ。
アスタルテが、嗅覚、味覚、触覚の同調実験と称して、薄い塩水に漬けて長時間発酵させた魚・・・
そう地球で最も臭い食べ物シュール・ストレンミングの異世界バージョンの食べ物を食べたのだ。
「悪魔族の食事は魔力や魔素でも問題ないので感謝してよね」と悶絶しながらドヤ顔していたアスタルテの顔が忘れられない。
「きゃは。アスタルテだよ。よろしく」
アスタルテが精神を蝕む呪いという魔法を放ち、畳みかけるようにドラゴンテールのメンバーを挑発する。
ジャックオーランタン(南瓜)といい全力で地雷を踏み抜きに行くスタイル。嫌いじゃない。
ただ、お説教は覚悟するように。
ちなみに呪いは精神に作用する闇属性の範囲魔法のひとつで抵抗力を大きく下げる。
挑発は
「なんだ貴様!」
そしてパーティ全員がゆっくりと街道から離れて森の奥へと入っていく。
どのくらいで気付くかね・・・アスタルテの頭に巻かれた魔法の封印が刻まれたスカーフ。
「この」
ダイナソーが
「
そのことごとくを「きゃはは」と笑いながらアスタルテが躱す。
アスタルテは挑発して彼らを誘き寄せるのが目的だから、シロのスリングだけ気を付ければいい。
お吟の
すっ
後ろからこっそり近づいてきたジャックオーランタン(南瓜)のマッシュとオルテガによってミミとカルヴァドスの腕に巻かれたスカーフに手が掛かる。
「あはは、こっちこっち」
マッシュとオルテガに気付いたアスタルテが再び挑発する。
「降りてこい」
ミミとカルヴァドスも攻撃に参加すべく地面に転がっている石を掴んで投擲を始める。
その際、腕のスカーフが抜きとられるが、頭に血が昇っているのか、ミミとカルヴァドスも気付かない。
マッシュとオルテガは、スカーフをひらひらと振りながらすっと闇の中に消えていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます