第38話新しい商品の開発
岩石生成と宝石生成は、純度の高い宝石を造るスキルだが裏ワザがある。
既にある小さい石をニコイチして大きくしたり、含まれる不純物を抜いて純度を上げる再構築。
不純物を混ぜることで大きい石を造る増量だ。
何が言いたいのかというと・・・
魔素と魔石の関係が何かに似てると気付いてあっちの俺に成分の詳細を投げてたんだが、回答があった。
膣こ・・・もとい蓄光物質。
結晶の中にとある電子を持っている鉱物は、エネルギーの高い短波長の光をあてるとエネルギーを吸収し不安定な状態となる。
そして元の安定した状態に戻るときに、吸収したエネルギーを光にして外部へ徐々に放出する(つまり僅かに発光した状態になる)のだ。
蛍石自体は、フッ化カルシウムを主成分とする、古くから製鉄などにおいて融剤として用いられてきた鉱物。
で、蛍石の不純物に希土類元素、いわゆるレアアースが含まれると、紫外線を照射した際に蛍光を発するのだ。
ということで宝石生成のレベルを4にあげて、モース硬度4。蛍石を造れるようになりました。うえーい。
で、なぜこんな事をしているのかというと、商業ギルドの根古ニャーに泣きつかれたのだ。
いま、ワ国からソウキ皇国に親善の使節団が来ているのだが、使節団が帰国の際のお土産を用意する必要があるあるらしい。
違う国なのに?いやいや、俺のいるチュウカナ大陸は、ソウキ皇国の皇帝ソウキ・リュウイチを頂点とした四つの国からなる連邦国家だ。
ちなみに、ソウキ・リュウイチの居城である白露城がある島を唯一の領土としたソウキ皇国。
チュウカナ大陸の南部。ウッドエルフのオオナヌシ菜緒虎が総帥を務める、あらゆる種族が自らの代表を議員として送り込む議会制民主主義・・・モドキの千年樹連邦。
チュウカナ大陸の西部。聖騎士王クワトロが初代国主を務める封建君主制で人族が統治するマッサチン公国。
俺たちが住んでいるチュウカナ大陸の東部。
商業ギルドで手配してもらった低品質の蛍石とレアアース・・・が含まれているであろう岩石を並べる。
(設定がそのまま生きているなら、アタラカ山脈以外の資源分布は地球の中国大陸に準じているので、レアアースのありそうなところを採掘してもらった)
まずは岩石生成で岩石に含まれている不純物を抜いて石の純度を上げる。必要なのは不純物のほう。
抽出した不純物を精製し、鑑定すること32回。ビンゴ・・・イットリウムだ。
次に低品質の蛍石をニコイチしながら不純物を抜く。
そうやって純度をあげた蛍石にイットリウムを均すように混ぜて・・・うむ蒼い蛍石が出来た。イットリウムを酸化させて作ると赤くなるんだっけ。
「とりあえずライトLv.5」
蛍光石に光の魔法を照射してみる。
両手で石を包んで影を作り覗いてみる。おお、イイ感じに蓄光しているね。
宝石生成で直径5センチほどの蓄光できる蛍石の皿を生成する。
ちょっと透明度が高いかな?
透明度をかなり落としたバージョンも造ってライトLv.5をかけ、どちらの皿も蓄光しているのを確認。
適当な大きさの木箱に緩衝材と『光を当てると暗闇で光ります』というメモを添えて梱包する。
どちらがお土産に相応しいかの判断は根古ニャーに任せようか。
因みに、後日、追加された情報で、蓄光する石は方解石でも作れるらしいということが判明した。
いや、まあ、いいけどね・・・
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