第36話嫁が旅立った・・・
畑起こしから十日。嫁が旅発った。
三柱の神様たちから頼まれた、もう一つのクエストである『とあるダンジョンに死蔵されている魔石の解放』のための下準備だ。
なんだろう、今更だが、このラノベ感たっぷりのクエスト名は・・・
とあるダンジョンというのはアタラカ山脈近辺にあることが解っている。
山脈の東側は鉱山都市があったり、嫁さんのいたダークエルフの集落があったりと、そこそこ人の手が入っていてそこには無いことが判明している。
あるとすればアタラカ山脈の西側、マッサチン公国の南に広がるルドラ大森林のどこかである。
そこまでしか解っていないともいう。
ラージアント(シールド)とラージアント(ソルジャー)の2匹を護衛につけているので嫁さんのことは脇に置いておこう。
バケツの稲、五百万石がおかしなことになっている。
宿屋の大浴場の外にある、お湯を沸かすためのボイラー室に併設した方解石に囲まれた温室で育てられているのだが成長が早過ぎる。、
もう膝下ぐらいにまで成長している。
同じ時期に植えた外のワ国の稲は、まだこの三分の二・・・いやワ国の稲の成長も大概か。
この時期のチュウカナ大陸産の稲だとワ国の稲の半分も成長してないらしい。
植物成長の速さは嫁さんのチートのお陰だな。
帰ってきたら麦やかぼちゃを植えよう。
「カリマス。最下層のモンスターが変わってるって聞いたんだけど本当?」
赤いギルドカードを提示・・・赤級冒険者である・・・した
カリマスとは仮のギルドマスター。つまり俺についたあだ名。
仮が取れても定着しそうな予感。
「見つかったの1~2匹程度だけどゴブリン、スケルトン、ゾンビの上位らしいよ」
「へぇー初級ダンジョンっていう割に成長早いね」
どうやら王都の冒険者ギルドでもここのダンジョンの特異性は噂のタネにはなっているらしい。
オッズの1番人気は地下6階以降の存在。
当たりです。
「で、せっかくだから偵察を兼ねて潜りに来たと?」
「王都から半月の距離に地下6階以上の中級ダンジョンが生まれてくれたら嬉しいからね」
ギョウブは野太い笑みを浮かべる。
聞くと、最近
必要なスキルを得て
娘よすまん・・・
レベルダウンしたレベルを回復するのに最適なのがダンジョンでのパワーレベリング。
もっとも、上位クラス・・・例えば戦士から騎士に転職した場合は初心者ダンジョンでは効率が悪いそうだ、
いまのところ上位クラスに転職できるのは王都ギルドだけなので、近場で効率よく経験値が稼げる場所があるのはあり難いということらしい。
あと入手できるアイテム・・・主に魔石が旅費を節約して手に入ることも魅力らしい。
上位モンスターを配置するにしても、中級ダンジョンの定義を計算に入れないと不味いか?
ただ、現時点で次の階層・・・裏ダンジョンの地下5階に進むことはできない。物理的な仕掛けで裏ダンジョン地下5階の側からの一方通行になっているからだ。
しかも通路の場所は、地下6階に降りたすぐの場所の西の壁を調べて宝箱のある小部屋を見つけ、さらに西の壁を調べると見つけることが出来る。
「地下7階が見つけられたら、私からも報酬を出そう。希望はあるかい?」
「え?いいのかい?夜のデートとか込みで」
「ん?大人のデートってことかい?」
「ダークエルフの旦那を満足させてるという噂は聞いてる」
身の蓋もない要求である。
「既婚者口説くとか度胸あるね。というか、他のメンバーの利益ガン無視だろ」
「赤級の冒険者の稼ぎ舐めんなとしか」
・・・沈黙が流れる。
「旦那の許可ありでデートまでは」
ギョウブのテンションが上がったのを見たが、気にしなかった。
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