第35話スケルトンソルジャー
「先日譲って頂いたカシン・コジの死体ですが」
ウブがパチンと指を鳴らすと、地面に召喚陣が現れ、一体の首のない皮の胴鎧にショートソードを装備したスケルトンが現れる。
スケルトンの装備はカシン・コジが装備していたやつだな。
「先ほどめでたく、我がダンジョンの第一号スケルトンソルジャーになりました」
そういえばダンジョンコアのレベルが上がれば召喚できるモンスターのレベルも上がるって言ってたな。
「どう見ても外見はスケルトンソルジャーじゃなくてデュラハンだよね?」
すかさずツッコミを入れる。
「確かにそうですね。いかがいたしましょうか」
素直にウブは認める。
いや、その答え受け答えとしてどうよ。
「ちょっと待ってて。宝石生成Lv.3」
宝石生成のスキルを発動させ、大理石を生成。視覚的には3Dプリンターで兜を装備した骸骨を創り出していく感じで。
うん。水槽のオブジェっぽい。そうだ。方解石で目玉を作ってみよう。傾けると飛び出す感じで…
おおイイ感じイイ感じ。
苔た感じを出すのも忘れない。
出来上がった骸骨をスケルトンソルジャーに渡すと、スケルトンソルジャーはそれを受け取り器用に取り付ける。
方解石がキラキラと輝いていて、ダンジョンで出会ったらビビるだろうな。
「それで、そのスケルトンソルジャーはどうするつもり?」
「裏5階に放り込んで修行させます」
ウブが言うには、配下のモンスターも野良モンスターや冒険者を倒せば経験値が溜まりランクアップし進化するそうだ。
で、進化すればダンジョンコアのレベルが上がらなくても召喚できるモンスタのランクが上がるらしい。
なにそれ?初めて聞くのですが・・・ああ、レベルアップの恩恵なのね。
なおダンジョンが生み出したモンスター同士は戦えないし倒せないようだ。
フレンドリーファイアの無効化
で、最近外部の野良モンスターをダンジョンに招くようになったからレベルアップができるようになったと、なるほどね。
「折角だからホブゴブリン、レギュラーオーク、スケルトンソルジャー、スケルトンマジックユーザーでパーティを組んで裏ダンジョンを攻略させてみようか」
「良い考えです。野良モンスターを積極的に集めるよう指示を出しても?」
野良モンスターを引き入れるためにダンジョンの入り口を地上に接続することは許可したけど、外部の野良モンスターをどうやってダンジョンに招くの?と聞いたらラージアントたちが集めているそうだ。
かなり離れた場所にラージアント専用の出入口があって、夜な夜な野良モンスター狩りに出ているそうだ。
まあ、蟻の中には蝶の幼虫が出す体液を得るために飼育したり、葉っぱを集めてキノコを栽培した、他種類の蟻を攫って奴隷としたりする種類がいるからね。そういった習性をウブが付与したそうだ。
チョット前にウブが蟻の習性の情報を欲しがったのでネットから拾った情報を渡していたのだが、そうかこのためか・・・
え?その穴を通じてスライムが大量に侵入してるの?どういう習性なんだろ。
「許可します。ただし」
定期的に集めてきたモンスターやカシン・コジの状況を報告するように指示を出す。
「そしてこれが今日の分です」
ウブに産み出した魔素石と創り出した琥珀、方解石を渡し、ギルド館の地下にある自分の部屋に戻る。
「お帰り」
引き締まった肉体を惜しげもなくさらした全裸の成年ダークエルフの男(中身は嫁)が臨戦態勢で待っていた。
「望む所です」
娘は王都に出向いている。誰にも遠慮はいらないのだ。
素早く服を脱ぎ棄て迎え撃つのであった。
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や・せ・ん行ってみません
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