第28話開所準備

「お帰りなさいませ」


いまや防具屋『毘沙門』で冒険者ギルドで商業ギルドの建物に帰還した俺たちを二人の女性が出迎える。


一人は身長は170センチぐらいの銀髪灰色眼のエルフで名前をブルム・ベア。王都冒険者ギルドの受付係の係長。

王都の冒険者ギルドは一日中営業しているので三人体勢らしいが、そのうちの一人が指導としてきている。


一人は身長は150センチぐらいの三毛の髪蒼眼のネコミミ、ネコシッポの生えた13歳ぐらいの猫人ワーキャットの少女で名前をマリア。

王都冒険者ギルドの受付見習い。

俺の職員研修が終われば正式に見習いの文字が取れる予定だ。


「こちら私のファミリーの店子でサラとヤエ。こちら王都冒険者ギルドのブルムさんとマリア」


「サラ・メディチだ」


「ヤエ・メディチです」


俺の紹介で共に嫁さんと娘が小さく頭を下げる。


「こちらこそ王都冒険者ギルドの受付係の係長ブルム・ベアと申します」


「王都冒険者ギルドの受付見習いマリア、です」


冒険者ギルド組も頭を下げてゆっくりとあげる。


そこから俺が王都に向かっていた間にブルムさんがこの建物で行ったことの報告を聞く。

まず1階のカウンターにギルド水晶と買い取りカウンターの設置。

ギルド水晶は簡単に言えばネットに繋がったカードリーダーライター付きのパソコンだな。

ギルド水晶に読み込ませた情報は一旦王都の冒険者ギルドに送られる。

そしてこの大陸すべての冒険者ギルドに情報が伝達される。

データの一部は都市の出入りの審査に使われる水晶にもリンクされているらしい。

凄いな水晶。


ギルド水晶からは各地の採取系依頼や指名手配犯の情報も送配信できる。

朝6時昼12時晩18時夜中の24時に依頼が送信されてくるのでギルドの職員や警備兵は時計代わりにしている。

一般の人は太陽の位置とギルド職員や警備兵の行動を見て大体の時間を知ることになる。


商店スペースとの間を仕切るように設置された仕事クエスト板には既に常時募集の採取依頼の木簡が下がっている。

確認すると薬草、獣皮、ここのダンジョンのマップの詳細情報。ここのダンジョンのモンスター情報。ここのダンジョンのドロップアイテム情報。

俺が造る商品の輸送隊の護衛なんてものもあるな。依頼主は商業ギルド。

上手くいけばここのダンジョンにアタックして王都に帰るとき護衛任務を引き受けるパターンがある訳か。


「お二人はファミリーとお伺いしましたが、居住は如何するのでしょうか?」


ブルムが尋ねる。そういえば二人が知ってる居住スペースは2階の4室だけか。


「ブルムさんたちはそのまま2階の部屋を使用してください。わたしは・・・」


そう言って俺はカウンター奥にある事務所に4人を招くと壁の一か所にある溝に自分の指を滑らす。

ゴゴゴゴと床の一部がスライドし地下への階段が現れる。


「地下にはわたしの工房とそれなりの空間があるのです」


「凄い」


ブルムさんが目をキラキラさせてたけど、いま開発中の商品があるからと機密保持を理由に地下には案内しなかった。

ダンジョン最下層までの直通路の偽装が済んでいないからだ。


「クラス黄色級まで、期限半年、人数無制限、報酬は買い取り1.2倍のダンジョン探索クエを発注もって同ギルドの開所式としましょう」


承りましたと二人は頭を下げる。


「とこで、お三方のセカンドネームが同じ件ですが」


ブルムはかけていた伊達眼鏡をくいっと上げる。

あ、ブルムの眼。これヤバい奴だ。根古ニャーと同じ野獣の眼・・・

長い一日の始まりだった。









おまけ


次の日の夜明け近く


「ま、満足した?」


「とりあえず」


俺の隣で奥さんが大の字になって大きく肩で息をしている。

当然のことだが何も身につけていない。

それは俺も一緒だ。そして今日は俺のターン。


前回は奥さんの股間で猛る冒険者に俺の股間の洞窟ダンジョンが散々に蹂躙された。

今回は、俺の頭と股間の洞窟ダンジョンで、奥さんの股間の冒険者を絡め捕って搾り上げて大噴火。

もはや、肉の凶器に嫌悪感はない。


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