第18話大規模討伐依頼 ー対象が実は小物だったー
「おい。装備していた所を見ていたが、そんな軽装で大丈夫か」
誰かが後ろから俺の肩に手を置いた。
「大丈夫だ問題ない・・・と思う。まあ当たらなければ関係ないけどね」
ゆっくりと手のある方を見ると身長は170センチぐらいの餡子型の力士の身体に豚の顔を乗せた男の
この世界のオークは魔物寄りだが共存は可能な亜人という位置づけだ。
しかも秩序を重んじ自己犠牲に溢れる
しかし、手には柄の長い巨大な木槌。分厚い布の服に左胸を隠す程度の胸あてという装備で「そんな軽装で大丈夫か」って聞いてきたのか。
「ポーク。喧嘩売りに来たのなら帰りな」
オーエスが柳眉を上げる。
「うん?ああ、嫌味に聞こえたのかスマン。実はな・・・」
また分厚い筋肉と脂肪のお蔭で皮鎧程度ではあまり防具の意味がない。
だが冒険者として良い防具は欲しい。
そんなときギルドのボードで防具評価の
残念なことに籠手のサイズが違い過ぎて
しかし
冒険者ギルドに所属しているのは解っていたので今回の
ということで赤毛の妙な鎧の女戦士を探していたらしい。
かなり非常識ではあるが、彼はお客さんということだ。
「お客さん。希望の防具は?」
「欲を言えば全身鎧だが、早急にいうなら胴鎧と籠手だな」
速攻で答える。まあそんなところか。
「ちょっと失礼」
ポークの肘から手の甲までの寸法を測り、アイテムボックスから厚手の布と粘土の塊を取り出す。
「押さえてて」
厚手の布をポークの腕に巻き付け粘土を配置する。
『岩石生成Lv.8、防具製作Lv.5発動』
淡い光がポークの腕を包む。
ここ数日の鍛錬の成果を見せるときだ。
「お、お」
見る間にポークの左腕に配置された粘土が手の甲までを覆う籠手に変化する。
受けた剣を滑らせないよう突起のようなモノも配置していく。
続いて右腕の粘土を籠手に変える。
「お試し版。外すのに銀貨1枚。後日調整したものが欲しいなら金貨3枚」
「もしかしてユニークスキルか」
「土魔法と違って
ポークの問いにそう答え暗に
。
「ああ、了解した」
軽く頭を下げポークはその場を立ち去る。
「マイたちも要るかい?」
マイたちに視線を送るがマイたちは首を横に振った。
「雪の進軍♪」
城壁の外、吐く息が白い。
城壁の中が魔法によって緩やかだが温度調整されていたとは・・・やるな。
「さて」
電脳接続で
噛み付き
剛腕
強者の咆哮(スタン効果)
魔法抵抗(小)
土魔法
ストーンシールドLv.1
うへ魔法使うのかよ。弱点は火だが魔法抵抗(小)持ちだから魔法は効きにくい。
とりあえず
敵を知り己を知れば百戦危うからずと思ったらマイとオーエスは知っていた。
だったら早く言ってくださいよ。
ピイイイ
不意に笛の音が鳴り響き、左手上空に閃光魔法が打ち上がる。
閃光魔法が打ち上がった場所に向かって駆け出す。
グルルルル
荒い唸り声が辺りに響き渡るって、ちょっと待って。
なぜ唸り声が輪唱している?
「うそ・・・三頭いる」
そう。マイが呟くように熊は三頭いた。
目撃された体長7メートル級が二頭。体長10メートル級が一頭。
体長7メートル級のヤツは灰色の毛並みに岩のようなゴツゴツとした体形。
たぶん
そして体長10メートル級のやつは毛皮がどう見ても白と黒のツートンカラー。
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