第4話魔法とスキル

【石の中にいる!】


転移した途端このメッセージ。って、いきなりだなおい。某ウイザードリィなら即ロスト案件じゃないか。

ただ目の前が真っ暗ということは、本当に石の中かもしれない。とりあえずステータスと念じる。

本当に石の中なら使えるスキルがある。一応確認だ。


ユニークスキル

岩石生成Lv.1(MaxLv.10)

岩を掘削して砂にしたり砂を圧縮する。

半径1メートル以内の岩や砂に影響を与え、1平方メートルの岩を破砕、生成することが出来る。


これは俺が、ラノベ作家先生の小説世界のゲーム用に創ったオリジナルスキル。

表向きは砂で本物の石の建物を作るためのスキルだ。

そして、魔法を封じられた状態でも色々な石のモノが作れる便利スキルでもある。

いろいろと便利なので、ゲーム設定ではやれることをレベルで制限したのが、それが適用されてるようだ。

神さまの試練という事にしておこう。


つぎにスキルポイントをチェックする。スキルレベルを上げるのに使うのだろうか?


スキルポイント

スキルポイントを消費することで習得不可スキルが取得できる。なおスキルポイントは増えません。


取得経験値アップ 30 

スキル習得率アップ 30

ステータス改竄 30   

不老 500※種族がエロフに変わります。

不死 500※種族が上位アンデットに変わります。

亜神化 1001※種族が亜神に変わります。 

※なお、取得できるスキルは今後バージョンアップされます。(予定)


取らせる気が無いスキルと酷い誤字のあるスキルがある・・・

とりあえずスキルを選択。


不老Lv.1(MaxLv.1)

風貌が固定される。種族特性なので種族が強制的にエロフに変わります。

なんだろう。この謎のエロフ推し。というか誤字じゃないのかよ。

ということは不死と亜神はチェックいらないな。


取得経験値アップLv.1(MaxLv.10)

取得できる経験値が増える。

Lv.1で1.5倍。Lv.10で10倍になる。


お約束だね。Lv.10まで割り振る。残り700ポイント。


スキル習得率アップLv.1(MaxLv.10)

取得できるスキルの習得率とスキル経験値が増える。

Lv.1で1.5倍。Lv.10で10倍になる。


これもLv.10まで割り振る。残り400ポイント。


ステータス改竄Lv.1(MaxLv.10)

スキルレベル以下の鑑定に対し偽の情報を伝えます。

レベル差×10パーセントで見破られます。


ダンジョンマスターなんてスキルがあるんだ。これは重要だなLv.10まで割り振る。

スキルポイントが残ったな。今後に期待だ。



『岩石生成のレベルが2になりました。スキルの効果範囲が広がりました。

半径3メートル以内の岩や砂に影響を与え、3平方メートルの岩を破砕、生成することが出来ます』


目が覚めると、1立方メートルほどの空間と岩石生成のレベルが上がったことが告げられる。

あ、不眠不休で動けるけど、寝られない訳じゃないよ。効率は落ちるけどね。


ついでに地球の俺からメールが入っていることも告げられる。

これはユニークスキル電脳接続の効果だ。


能力は、俺が持っているスマホと地球にある学校の文芸部のサーバーに繋がるというもの。

なので、俺が持っているスマホから地球側の俺のパソコンにメールという形で連絡が取れる。

メールには、俺に起こったことを夢で見たという内容で、俺の置かれた立場も概ね理解していると。

素晴らしき哉オタク道。


今後、知りたい情報があればサーバーに落すようにメールをすればタイムラグはあるがラノベのような生産系の無双が可能という訳だ。

俺は自分の空間を広げる作業を再開する。


壁や天井が崩れてきては洒落にならないので丁寧に押し固めていく。

黙々と作業し、ようやく自分が立って頭をぶつけない程度にまで押し広げる。

そこで光が点いてないという今更なことに気が付く。


ありあえずステータスを開くと・・・あれ、光はないのに文字はハッキリと見えているな。今更だが・・・

たぶん脳の視覚野に直接投影してるのだろう。


「えっと、なにかないのか?アイテムボックス」


スキルを唱えると、ぎぃと音が鳴り目の前に90センチほどの空間が広がる。

しかも中は明るい。


「お、ラッキー」


アイテムボックスにはショートソードが一本と「魔法初級講座」「スキル初級講座」と書かれた2冊の薄い本があった。

早速「魔法初級講座」を取り出して数ページめくる。


「あったよ。光よライト


魔法初級講座に書いてある通りに唱える。

・・・

・・

唱えるだけじゃダメだった。

とりあえずページの最初に戻って魔法の発動についての項目に目を通す。


『魔法とは想像を魔力を使って具現化する法』


『まずは魔力を感知しよう』


幸先良いな。魔力は岩石生成のスキルを行使するときに手のひらで感知している。

岩石生成のスキルを行使するつもりで手のひらに力が集まるよう意識を集中させる。


光よライト


天井に蛍光灯が点くようなイメージを思い浮かべて魔力を投射する。

すると蛍光灯だ点くように天井が光り白く輝く。


『生活魔法:光よライトLv.1を修得しました』


お、ラッキー。

ただ出入口を確保していない現状ではライト以外の魔法は使わない。

見た目は人間の女性だが、酸素を筆頭に生命活動に必要なものを必要としていない身体らしい。

しかし、自分の魔法でこんがり丸焼きとか水の漬物というのは避けたい。


次に「スキル初級講座」を取り出して読む。

適性があれば反復行動にて学習が可能だとか。

取りあえず『岩石生成』を行使して、いま居る空間を天井の高さが4m床面積10畳(4m×4m程度)ほどに拡張する。

おかげで岩石生成はLv.4にまで伸びる。

Lv.3では石の包丁だった石器の造詣も100均の陶器ぐらいのクオリティーになっている。


自分が通れるほどの通路を壁に開けて1メートルほど掘り、そこからは上へと掘り進む。

その際、壁に色々な大きさの突起を造り、指の力だけを使って昇っていく。


イザという時に相手に足場を与えないための予防策と指と腕の筋力トレーニングだ。

また4m毎に壁に目印を兼ねて拳大の穴を開けライトの魔法を掛けて最初の空間から深さを測る事も忘れない。

縦穴は6個目の横穴を空ける直前地表に到達することが出た。

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