3章 ありがとう #1
僕がチキンカツサンドを食べ終わるまで美咲はずっと僕を見ていた。
「....ん?何か付いてる?」
「ううん。違うよ。ただ見てただけ。」
レジ袋の中にゴミを入れ、袋の口を縛りゴミ箱に捨てた。
「ふぅ、食った、食った。待たせちゃってごめん。」
「ううん。大丈夫。」
「今日はずっと絵を描いていたのかい?」
「ううん。ふれあい広場の目の前にある庭を見たことある?」
正直、全然気に
僕が首を横に振ると美咲は続けて言った。
「あそこに花を植えられるところがあるの。
たしかにこの病室の棚には花に関する図鑑が並べられている。
「いい花ないかな~って感じで午前中は一度、ふれあい広場に行って戻ってきてからずっと探してたの。」
「そうなんか。僕も一緒に探そうか?」
「大丈夫。ありがとう。」
本人が大丈夫って言っているんだし、首を突っ込み過ぎない方がいいだろう。
「ところで美咲、他に戻っている表情とかある?」
「ううん、ないよ。今のところは
「そっか。じゃあ、明日から本格的にやりますか?」
「はい!お願いします、
おもしろ半分で言ったら美咲も同じ調子で返してきた。
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