2章 作戦会議・作戦開始 #5

結局、コンビニではスタミナをつけるために、チキンカツサンドをかごに入れると文房具が置いてある陳列台ちんれつだいに来た。


これから美咲みさの表情を取り戻すために、今日の出来事や、明日はどうやって表情を取り戻すかなどの作戦を書いたりしようと思い、ノートも購入した。



『ふれあい広場』に美咲みさがいるかどうか確認をしたが、いなかったからそのまま彼女の病室へと向かった。


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病室のドアを開けると美咲がノートに何か書いているらしく、机に向かっていた。


「やぁ、何してるんだい?」


美咲はその作業にすごく集中していたらしく、僕の声を聞くとビクッと跳ねて、何事なにごともなかったかのようにノートを閉じ、僕の方を見た。


「絵を描いてたの。何の絵かは教えないけどねー。」


昨日までは普通の笑顔しか出来なかった彼女は、いたずらそうな表情をしながら舌をペロッと出した。


「おぉ、また新しい表情が戻ってきたな!よかった、よかった。」


「ぐぅ~~」


僕のお腹がこの病室に響く。


「すごく大きな音ね。お昼まだだったの?」


「ごめん、食べてもいい?」


美咲はクスクス笑いながらうなずいた。




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