2章 作戦会議・作戦開始 #1

いつも、独りで「ふれあい広場」にいた少女こと、美咲みさは僕と同い年の高校2年生であることを知った。


「私の病気はもう治ってるはずなの。でもなぜか私、表情を失っちゃったみたいなの。だから今も笑っていないでしょ?」


たしかに美咲は口調は柔らかいのに表情は変わっていない。


医院長のかつらさんによると原因は不明らしく、治療法も今のところは見つかっていないらしい。


ストレスの疑いを考えて先日、病院にこもりっきりだった美咲を病院外の外出でリラックス効果を図ったらしい。


だが、途中でアクシデントが起こり、再び病院内で治るまで過ごすことになったらしい。


「あ、もうすぐ時間...」


病室のドアの開く音がしたから振り返って見ると、そこには綺麗な女の人がいた。


どこかで見覚えがあると思ったら、カウンセラー室のドアに貼ってあった写真に映ってた人だ。


ってことは、この人がカウンセラーの先生なのか。


「こんにちは、美咲さん。あら?お友達?」


「こんにちは優香先生!この人は──、あれ?名前聞いてなかった!」


おい!とツッコミたくなったけど、僕も自己紹介を忘れてたから素直に自己紹介をした。


「ごめんね~。私が一方的に喋っちゃったから。龍馬りょうまって名前なんだー!なんか武士みたいな名前だね~」


「いや、幕末の武士に坂本さかもと龍馬りょうまっているじゃん!」


我ながら素晴らしい反応速度のツッコミだと思った。


「あれ?いたっけ?」


美咲は天然キャラなのかもしれない。


...え? あれ...?





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