1章 君と出会う #6
「大丈夫?」
見事なほどにコケた少女に思わず声をかけてしまう。
少女はムクリと立ち上がったが、すぐにしゃがみこんでしまった。
「そこのキミ、ちょっとめまいがするから私を病室まで連れて行ってくれない...?」
と、弱々しそうな感じで言われたら、例え自分がケガをしていても助けてあげたいと誰もが思うだろう。
僕は車椅子から降り、骨が折れていない方の足でけんけんをして車椅子の取っ手を握った。
「どうぞ、乗ってください。病室はどこにあるのですか?」
少女はもたれかかるようにして車椅子に乗り、僕の病室と同じ階を指定した。
部屋番号を聞くとどうやら隣だったらしい。
いくら女の子で軽いとはいえ、結構時間がかかった。
それにけんけんで移動するのはかなりの重労働だった。
僕がサッカー部じゃなかったら途中で体力が切れていただろう。
サッカーは体力が必要だから走り込みが練習メニューに多く入っている。
いままでサボらなかった自分を
「ありがとう、助かった...。」
少女をベッドに座らせてようやく僕も落ち着けた。
「私の名前は
そう言う美咲はなぜか無表情だった。
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