1章 君と出会う #4

彼らが帰ってから15分ってところか。


母さんが着替えを持って戻ってきた。


「ベッドに上がりたいから手伝って。」


「ナースコールすればいいじゃない~(笑)」


たしかにそうなんだが、たかがベッドに上がるくらいでナースさんを呼ぶのはさすがに気が引ける。


ようやくベッドに入ることができ、楽になった。


「ありがとう、母さん。あー、そういえばクリスマス寝過ごしたんだったな~。ローストチキン食べたいなぁ~。」


「じゃあ、退院したら食べましょ。そのためにしっかり治さないとね。」


「よっしゃー!」


最近はクリスマスプレゼントよりも、ローストチキンとかの食べ物が僕の中のクリスマスのメインだ。


別に食い意地が張ってるわけではない。


だって美味しいじゃないか、あの香ばしさと歯ごたえ、あふれ出す肉汁がたまらない。


オードブルもテンションが上がる。


だから僕にとってはクリスマスを寝過ごしたのは一大事だった。


まぁ、退院したら食べるって母さんと約束したから、早く治すために、リハビリを頑張ろうと思った────────



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る