1章 君と出会う #2

病院のコンビニの品揃しなぞろえを知っているだろうか?


街のコンビニとは違い、売ってる商品がだいぶ違う。


歯ブラシセットや、お風呂セットなどは見たことがあったが、寝巻きが売ってるコンビニなんて見たことがなかった。


食料品コーナーでは一部の人にとってはとてもありがたく、一つ一つの商品の値札の隣にアレルギー表示がされていて、わかりやすくなっている。


僕はとくに食物しょくもつアレルギーを持ってないから たまごのサンドイッチをかごの中に入れた。


飲み物も買おうと思って飲料コーナーへ行くと、違和感があった。


しばらく陳列品ちんれつひんを眺めていたら、ようやく気づいた。


お酒が一つもなかった。


未成年の僕にはえんのないことだったからすぐにはわからなかった。


少し多めに、お茶を3本かごに入れ、レジに向かった。


さっきまで聞こえていた声は、レジをしているおばちゃんがお客さんと話している声だった。


かごをレジに置くとおばちゃんが「あら、いらっしゃい。見ない顔だねぇ~」と言ってきた。


「あ、はい。この間事故に遭って入院することになりました。」


すると、おばちゃんは、自分のネームプレートを指しながら、「あたしの名前は大塚おおつか 幸子さちこだよ。みんなからは『幸さん』って呼ばれてるのよ。よろしくねぇ~。」


「幸さんですか、こちらこそよろしくお願いします。」と一言だけ言って商品と、レシートを受け取り、病室の帰路きろに着いた。


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