プロローグ #5

お腹が減っていたので、病院内の2階にあるコンビニで食料を買うことにした。


車椅子に乗るのは人生で2回目だ。


別に、ケガをしたわけではない。


小学生の頃、『車椅子の乗り方』という授業があった。


コースをたどって、段差や、坂道などを上る練習をしたりした。


一番キツかった坂道は腕に全く力が入らず、友達に後ろから押してもらった。


まぁ、その頃はきっと全然筋力が無かったからだろうと思っていた。


そう思いつつ車椅子に乗ろうとするが、そもそも車椅子に乗れない。


上手く体のバランスを取ることができず、結局、母さんに手を貸り、やっとの思いで乗ることができた。


病室から出ると40メートルほど先にあるエレベーターに乗って、2階まで降りた。


座った状態でエレベーターに乗るというのは初めての感覚で不思議な感じだった。


エレベーターを降りると左側にコンビニのマークがあった。


意外と遠くにある。


コンビニに向かいつつ通り道でどんな施設があるのか見てまわることにした。


エレベーターを降り左に行くとすぐにあるのはカウンセラー室だった。


中は覗けなかったけど、ドアに貼られてある自己紹介の紙に写った女性はとても綺麗で美人だった。


さらに進むとちょっとした広場があって、はじっこには大きいテレビが掛けられている。


大小様々な大きさの椅子が点々と置いてあり、『ふれあい広場』のような感じだった。

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