第11話これが本当のサービス回ですか?(裸)
2時間ほどかけてやっとプール掃除の終わりが見えてきたので、少し休憩しようとポカリス○ットを飲み、美しい空を仰ぎ見ていると、不意に目の前が真っ暗になった。
「だーれだ?」
もしこんなことを美少女がしてくれているのであれば、ボクだって半端なく動揺しまくっただろう。
だが、耳から聞こえてきた声の主は一緒に掃除をしていた桐崎だった。
なんだか真後ろにいるにしては声が遠い気もするが、そんなことどうだっていい。
今のボクはハゲ平に嫌なことを押し付けられてちょっと気が立っているんだ。
「ひゃん・・・」
苛立ちのあまり突き飛ばそうかと胸を押すと、手が跳ね返ってくるかと思うほどの弾力性があった。
「あぅ・・・」
未だかつて触れたことのないであろうその弾力性のある物体を触っていると、少しずつ見当がついてきた。
その見当が外れていて欲しくもあり、また当たっていても欲しいと、どっちつかずのまま振り向くと、
「・・・」
当たりも当たり大当たり〜。たわわな胸の主の正体はななななんと瑞希さんでしたー。
瑞希さんは触られた胸を腕で隠しながら(隠しきれてない)、ボクのことを軽く睨んできた。
「す、すいませんでしたぁーーー」
ボクは瞬時に頭を地に擦り付けながら土下座した。
「ハル、お前ってやつはつっくづく変態なんだな」
ボクの華麗な土下座を見て笑いながら、桐崎が瑞希さんの後ろからひょっこり現れた。
「・・・わ、わざとじゃなかったんだし、顔あげてよ」
申し訳なく思いながら顔を上げると、瑞希さんが身につけている白のビキニにボクの目は釘付けになった。
「こ、これ似合うかな?」
夕日に照らされた瑞希さんの肢体は美しく、グラビアなんかよりもよっぽど綺麗であった。
「はっ、はい、とっっっても似合ってます」
ボクは極度に興奮しながら食い気味に答えた。
「そう、かな。ありがと」
「っていうか、どうしてここに?」
「最近この水着を買ったんだけどなかなか着る機会がなくて」
「そうなんですか」
「それでプールなら着ていてもおかしくないと思って・・・」
ボクが何も言わず無言でいると、
「で、でも掃除を手伝う気もあったんだよっ」
ボクの無言の圧力に負けてか必死に弁明していた。
「いや、わかってますって」
一生懸命言い訳をする瑞希さんの姿は、言語では表せないくらいかわいかった。
それから三人で掃除をすると、すぐに終わった。
ボクはハゲ平から受け取った更衣室Gの鍵をポケットから取り出した。
「ボクらは後でいいんで、先にG更衣室で着替えてください」
そう言いながら、ボクは瑞希さんに更衣室Gの鍵を手渡した。
「・・・うん、わかった」
瑞希さんは受け取った鍵を見て一瞬固まった後、リンゴのように顔を赤くしながら更衣室へ向かった。
瑞希さんが着替えに行って二十分になるが出てくる気配がなく、桐崎が更衣室のの方を向きながら呟いた。
「遅いなー」
「そうだなー、ちょっとボク見てくるよ」
「おう。頼むわー」
それから更衣室の前に行きノックをして、瑞希さんが中にいるか確認した。
「瑞希さん。着替え終わりましたかー?」
呼びかけると中からゴソゴソと物音がした後、瑞希さんがなぜか荒い息遣いでドアから顔だけを出してきた。
「ど、どうしたんですか?」
「だ、だってハル君がこの鍵を渡してきたから・・・」
瑞希さんはそう言いながら、ボクに更衣室Gの鍵を返してきた。
「???」
ボクは理解できずに首を傾げていると、瑞希さんはギリギリ聞い取れるくらいの声で言った。
「ハ、ハル君が自慰行為室って言ってたから・・・」
「そんな変な意味を込めて言ってませんっ!」
ボクの渾身のツッコミが校内に響き渡った。
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