第8話

Mirage-8


am.7:00


何も纏わず抱きしめ合って、とても深い眠りについていた


目を覚ますと腕の中で寝息をたてる沙織

穏やかな寝顔を見てるとこのまま、ここにいたい…なんて叶いそうにないことを思ったりした


鼻先に触れるだけのキスをすると

顔を歪めて俺の胸に手をあててまた、眠る


何だよ

つまんないなぁ

まぁいいか、もう少し眠ろう



再び、目を瞑ると

クスクスと笑い出す彼女


「な、何だよ。起きてたの?」


「フフフ、さっき起きた」


「寝たふりすんなよ」


彼女の柔らかい髪を撫でると潤んだ瞳で淋しそうに呟いた


「だって…このまま、もう少し

いたかったから…」



同じこと思ってたんだ


そう言いかけたけど…やめた

言葉にしてしまうと、夢が覚めてしまいそうな気がしたから。


黙ったまま、キツく抱きしめ、沙織の首もとに顔を埋めてすーっと息を吸った



「何でかなぁ、沙織の匂い落ち着く

もう少し…眠ろうか」


「ぅん」



俺の腰にのせられた彼女の細い指をとり、唇に触れさせたまま、目を閉じた





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