第7話

Mirage-7


am.3:00


深夜のParisは日中の彩りをなくす


キラキラと輝くエッフェル塔も灯りを落とし、中心から少し離れると漆黒の世界のようだ


静まり返った部屋に響く声と触れあう音が2人の気持ちを高揚させる



彼は少し体を起こして私の顔の輪郭を確かめるように丁寧にキスを落としていく


「んっ、ハァ」


思わず声が洩れる


「さお…り」


名前を呼びながら下着をつけていない薄手のナイトウェアの上から胸の先端を指で探り当てクルクルと弄ぶ


すぐに形を現した頂きを布越しに口に含む


流れるように動く彼の手、指、唇、舌に翻弄され、身体が溶けていく


太股の内側をたどりながら彼の指が私の中にしずむと声が高くなる


「アァっ」


「ねっ、沙織?

俺の…名前も呼んでよ」


急に甘えたように言う彼

頭を抱えるように包んで声にならない声で囁いた


「ひろ…と……弘人」


そう言うと照れ隠しのように胸に吸い付くようなキスをし、力強く繋がった




俺の身体と彼女の身体がまるで磁石のように引き合う


ずっと前から知っていた人のような安堵感があり、触れる度に洩れる声に鼓動が早くなる


お互いの一番熱いトコロを感じ合った時

身震いするほど気持ちよく、すぐに果てそうで…わざとゆっくりと焦らした


「んっんっ

ねぇ、もう…ダメ」


背中に回した彼女の手にギュッと力が入り、

俺も…



肩で息をする彼女が俺を見上げて何も言わず優しく微笑んだ



何だろう


胸がすごくあったかかった

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