第5話
Mirage-5
am.1:00
車で20分ぐらい走ったParis郊外のアパート
白を基調とした古い重厚な建物
階段を上がった2階に彼女の部屋があった
「どうぞ」
「お邪魔します」
「フフ、何か、変な感じ」
「何が?」
「だって、さっきまであのパーティーで颯爽と歩いてた人がここでお邪魔しますだなんて」
「普通に言うっしょ?」
「そだね」
「えっと…何か飲む?しゃ、シャワー使って…キャッ」
いきなり後ろから抱きしめられ、顔を覗きこまれた
「ひょっとして、緊張してる?」
「し、してないわよ」
「年上の女を必死で演じてるって感じする」
「からかってるの?
ねぇ、お願い。離して」
「いや」
「わかった。正直に…言う。
私…やっぱり緊張してるの。だって、いきなり知らない男の人を部屋に連れてくるなんて…自分でもわからなくて」
そういうと腕の力を緩めて背中をそっと押しながら、呟くように言う
「俺…帰った方がいいんなら…」
「ダメ、帰らないで」
慌てて振り向いて彼の首に手を回した
「ハハハ、何か変な人だな」
無邪気に笑ったり、
淋しい顔をしたり、
不思議な彼女の魅力にたった数時間で俺は現実から解き放たれたような世界に紛れ込んだ気分だった。
心地よかった
「帰らないよ
あなたのこと…知りたいから」
「え?」
顔を上げると口角を上げてイタズラっぽくニヤリとした彼は耳朶を甘噛みして囁いた
「もっと…
あなたの奥の部分を知りたいから」
身体が……痺れた
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