第4話
Mirage-4
am.0:00
出会ったばかりの二人
お互いの話はするけど、ある程度のところで一線を引く
けれど、とめどなく続く会話にアルコールの量も増えていく
「そろそろ、出ようか」
「そうね、かなり飲んだよね」
「っで、どうする?」
「どうしたい?」
私の問いかけに軽く微笑むだけで何も答えない彼
ズルい。
「じゃあ…一緒に帰る?」
負けた。結局、また私から…
何処に行くのかわかってるかのようにさっと私の手を握って歩き始めた彼
通りに出てtaxiに乗った
握ったままになった手
酔いにまかせて彼の肩にもたれると慣れた手つきでその手を離し、肩を引き寄せた
飲んでる時は軽快に話していた彼はさっきから、ほとんど口を開かない
なのに、彼が醸し出す空気感に飲み込まれていくようで少し怖かった
「キスしていい?」
肩を抱いた腕にグッと力が入ったと思って、顔を上げるともう目の前に彼の顔が…
思わず、俯くと髪を撫でられた
「ハハ、ごめん、焦りすぎだな、まだ、たっぷり時間あるね」
大人っぽい顔が一気に少年のようなになり、口元に手をあてて目を細めて笑う
そんな彼が可愛くて、小刻みに揺れる肩に手を置いて頬に口づけた
「え?」
「あっ、いや、だって…」
その途端、私の唇は次の言葉を発することは出来なくなってた
唇で舌でゆっくりなぞられ、フワッと力が抜ける
半開きになった口に押し込まれた彼の舌を絡めとると徐々に深くなっていくキス
初めから、息も出来ないほどのキスに戸惑いながらも首に手を回した
「ふぅ、もっ、苦っ…しい」
「そっちが煽ったんだろ」
「知らないっ」
拗ねるように胸に頬を寄せた彼女の肩に回した手を腰におろして、さっきより密着した
年上の女なんだし、あっちから声かけてきたんだから、もっと余裕なんだと思ったら、何なんだろ?
恥ずかしそうに真っ赤になったり。
……と思ったら、キスはなかなかのもんだし…
長い夜
男と女の駆け引きはいつまで続く?
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