第3話魔法と兵器
じじいが俺に魔法を与えると言った。
やはり心が踊ってしまった、まぁそれは中二病を軽く患っているから仕方ないだろう。でもどんな魔法をもらえるのだろうか?一応これは主人公補正があるって考えてもいいよな。そしたら全魔法適正か。いやはや空間魔法なんてのもいいな。はたまた禁忌魔法なんてのを取得できるとかもありだな。いや、ここは召喚魔法なんかで最強クラスの魔物を召喚して使役するのもかっこいいぞ。とにかくチート級の魔法が最高にかっこいいぞ。俺も無双したい。、、、っと妄想に華を膨らましすぎたな。よく見たらじじいが俺の顔見てドン引きしてる。そんなに変な顔してたのか、、。とりあえず聞いてみようか。
「うぉっほん、まぁちなみに俺はどんな魔法がもらえるんだ?」
とりあえず今の妄想はごまかしておこう。
さぁじじい、俺にどんなチート能力を授けてくれるんだ!
「わからんぞ」
おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉい!!!
えっこいつ今なんて言った?
わからんって言ったのか?いやそんなことないはずこいつが授けるとかぬかしたんだ、きっと俺の聞き間違いだ。
「えっと、俺の聞き間違いかな。もう一度聞こう、じじい俺はどんな魔法を「だから知らんと言っておるじゃろうが」くれる、、ん、、だ、、、。」
「すいませぇぇぇぇん、おじいさま今までの無礼はお詫びします。だから、だから私にどんな魔法を与えくださるか教えていただけませんかぁ!!」
これまた見事な土下座だ。我ながら惚れ惚れする角度だと自負している。しかし、泣きながら土下座する高校生っていかにも滑稽だよな。
「だから知らんと言っておるじゃろう。これは誰にもわからんことなのじゃよ」
「へぇ?そうなの?」
俺は涙と鼻水で汚れた顔をじじいに向けた。
その顔を見たじじいはまたドン引きしている。
「わしは魔法を与えると言ってもどんな魔法かは与えられた者次第ということじゃ」
ん?どう言うことかな?
「はぁ、わけがわからんと言うような顔しとるのぉ。わしが与えるのは魔法の種類ではなく魔法という枠組みじゃ。だからお前に適するであろう魔法が自ずと発現する。じゃから、やって見てのお楽しみってことじゃな」
「ちっ使えねぇ、じじいだぜ」
そう言うことなんですね、おじいさま
「ほれ、本音とたてまえが逆になっとるぞい」
危ない危ない、つい本音が。
「じゃあどんな魔法かは、俺にもじじいにもわからんし、もしかしたらクソみたいな能力が出るかもしれないってことか?」
「そう言うことじゃな」
これはまずい、非常にまずい。
だいたいテンプレでは、クラスの人気者が勇者となるかもしくはクラスの目立たないけど何かしらの才能を秘めてる奴がチート能力を持って行ってしまう。しかし、この俺ときたらお世辞を入れても本当に平凡だ。ましてやくじ運なんて最悪だ。これはテンプレでいうならモブキャラCぐらいの立ち位置だ。Aにもなれないんだぞ。
「これっておじいさまの力でどうにかならないものでしょうか?」
「ならん」
「このくそじじい、まじでつかえねーよー!!」
「もう包み隠そうとしないな。まぁこれに関してはわしもどうにもできんのじゃ、観念して魔法を受け取ってくれ。」
まさかこんな伏兵が潜んでいたなんて誰も予想してなかっただろうよ。さっきまでの俺のワクワクを返してくれ。
「もういい、わかった、俺も今回は覚悟を決めよう。さぁじじい俺に魔法を渡してくれ!」
「ふぅ、与えられる側でよくそんなに大きな態度が取れるのぉ、ほれ、こっちに来なさい」
じじいに呼ばれ、俺はじじいの目の前に立った。じじいは何か唱え始めると体の周りが発光し始める。
「我らに魔法を与えし、万能の神イルミスよ
今ここに七権威第三席ルークタムの求めに応じ、かのものに我らと同じ魔法の力を授けたまえ」
イルミス、、ルークタム、、
また俺の知らない単語が出てきたけど、少し静かにしていたほうがいいのかもしれない。
じじいが唱え終わると、体の周りを飛んでいた光は静かに消え、少しばかり体が重く感じる。
「どうじゃ、なんか変化はあったか?」
「さっきより、、、体が重く感じるんだが」
「よし、成功じゃな。それはお主の体に魔力が正常に通っている証拠じゃ。時期に慣れて、違和感もなくなるじゃろう。」
これで俺も魔法を使えるようになったということか。しかし、あまり実感がないような
「じじいこれで本当に魔法が?」
「あぁもちろん使えるぞい」
「でも、俺に何の魔法が使えるようになったかわかんねーんだけど、、」
「おぉ、そうじゃそうじゃ。伝えるのを忘れとったぞい。「真実の扉」と唱えてみろ、お主のみたいものが出てくるぞ」
またこのじじい、、本当にボケてんじゃねーんだろうな。まぁとりあえず今はじじいの言った通りにするしかないからな
「えっと、『真実の扉』」
急に俺の目の前に丸い鏡?のようなものが現れる。鏡の縁は豪勢に装飾が施されている。
「その鏡にお主の顔を写してみろ」
じじいの言うがままに俺はその鏡に顔を写した。鏡にはしっかりと俺の顔が写っている。だからどうしたって話だ。
「じじい、俺の顔が写ってるだけだぞ?」
「まぁ待て、お主は落ち着きがないのぉ、慌てるでない」
爺さんの物言いに少しイラっとするが、たしかに俺は少し落ち着きがないのもたしかだ。ここはひとつ認めてやろう。よかったな、じじい!
って言ってもこれいつまで見てたらいいんだ、、ってなんだ!?急に鏡に変な文字が浮かび上がって来たぞ!!
「おい、じじい、なんか浮かび上がって来たぞ!?」
「それがお主の今の力じゃ。お主らの世界ではステイタスと言われるものじゃな。して、そこにお前の魔法はなんて書いておる?」
「ちょっと待ってよ、今読むから。
、、、、、、よめねぇ。何だこの文字!?こんな文字しらねぇよ!英語でもドイツ語でもねぇじゃんか!!」
まぁ英語もドイツ語ほとんど知らんけどな。
「ほっ、そうじゃったそうじゃった。そりゃお主にはこの時代の言葉が読めるわけないのぉ、失敬失敬。」
このボケじじい、一旦しばいてやろうか。
「これを持って起きなさい」
そう言って俺はじじいから一つの指輪を渡された。
「その指輪は、魔法で作られたものでな、魔道具じゃ。実はな、種族間で喋る言語というものは異なる。じゃがそいつを身につけることで、全ての多種族の言葉が理解でき、またこちらからも相手とコミュニケーションをとることもできる代物じゃ。ちなみに文字も読めるぞい。それで真実の扉を見て見なさい。魔法と書いてある欄があるはずじゃ。」
何ともまぁ便利アイテムなこって。
なんだろう、なぜか俺にはこのじじいが少しずつ青色のネコ型ロボッ、、、おっとこれ以上はいけねぇ。とりあえずこれで読めるようになったっていうんなら見てみようか。
「、、、、、おいじじい、おれの見間違いか?魔法ってのがないんだが、、、」
「そんなはずはないぞい!これは絶対に魔法を与えることができるはずじゃ!」
まさか、俺ってそんなにポンコツだったの
か?秘めた力は持ってなくても平均ぐらいはあると思っていたのによ。タダなんだ、なんかよくわからない欄があったけどやっぱ関係ないよなこれ、、、
「ちょっと見せて見るんじゃ!どれ、、、」
間宮秋(まみやあき)
人族 lv1
HP 50
MP25
AT50
DF45
luck5
スキル 兵器創造
「、、、スキル、、とな?それに兵器創造、、、?」
「おいじじい、兵器創造置いとくとしてスキルってなんなんだよ?」
「わしにもわからん、こんなの初めて見たぞ。とりあえずこれ使ってみろ。」
「いやいや、使ってみろってどうやって!?」
「これを魔法と仮定するなら、簡単じゃよ、自分の魔法をなんとなくでいいから想像してみたら良い。まぁこれが魔法ならじゃが」
「まぁいい、とりあえずやって見るしかないんだな」
兵器創造っていうのが、俺の力なんだよな。なんか思い描いていたようなチート能力とは言い難いよな。でも、文字通りなら兵器を作ることができるってことだよな。もしかしたら超チート能力なのかも。
蜘蛛の糸にすがる気持ちで俺はじじいの言う通り、頭の中でスキルなるものを意識してみた。
、、、、ん?なんか光ってる、、、?
「じじい、なんか手の周り光ってるぞ!」
「よいよい、ちゃんと発動したようじゃな。少し焦ったが問題なかったぞい。さて、スキルとはなんぞか見ものじゃ」
なぜか俺より期待を膨らませて見ているじじいは置いといたとして、本当に大丈夫なんだろうな!?
少しずつ光の中からある物体が浮かんでくる。俺はそれを握っており、感覚的には銃を握っているような感覚だ。また少しずつその銃らしきものが姿をあらわす。銃口から銃身まで伸びる細くそしてしなやかな木材、グリップもまた木材であり、照準や弾倉はなく、銃口から伸びている物体はトリガーにひかかっている。
まぁ端的にこの物体を表すとしたら
そうそれは、、、、ゴム鉄砲だ。
「これって兵器ですか?」
俺の質問の問いは帰って来ずに、静かに静寂に落ちて行った。
拝啓親愛なる間宮家へ
私もとうとう特殊な力を手に入れることができました。魔法ではなかったのですが、夢に見た特殊能力です。その名は兵器創造というものでした。名前の通りではきっと物騒なものだと思われるでしょうが、安心してください。出てきたのは、ゴム鉄砲でした。
ps こんなんで戦えるわけねぇよ!!
このクソスキルがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
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