神の施し
再び歩き進めると、いくつかモンスターに出会った。
おっさんは通称ゴブリンやら通称ポッポなどと言っていたが、イマイチ世界観が安定しないようだ。
そしてやはりドロップが一度もないのが気になった。
「おっさん、通称ドロップが全く無いんだが」
金か何か落ちて貰わないと生活もままならないはずだ。
「俺も一度もドロップしたところは見たことないな」
(なんだと…?)
一体どうやって食料を得たり、装備品を揃えたり、アイテムを手に入れればいいのか。
おっさんに色々尋ねてみるものの、「あー」やら「うー」など喃語を発し、おっさん自身も分からないことが多いそう。
一応聞けた情報としては、食べ物や服など必要なものは全て最初にいたあの小屋に揃っているらしい。
そもそも街などをみたことはなく買い物もしたことはないそうだ。
なんとも雑な異世界に転生されてしまったようだ。
「小屋ある食べ物とかは無くならないのか?」
いかにも食べそうなこのおっさんと居てはすぐに底を尽きてしまいそうなのだが。
「無くなることはないな」
何とも憎たらしくドヤ顔を放り込んでくる。
こんな風に小屋から離れ、モンスターを倒したり川で水を浴びたり、木々の隙間の小さな広場で小動物と戯れたり、お花畑で眺めたりしていると、何故か食料などが増えているらしい。
これを通称、神の施しだと、かの色黒は言っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます