ゲイオアバイ

僕の視線の下、炎を纏う人がいた。

そうそれは、おっさんだった。


「よう、起きたか」

見るからに熱いおっさんはこちらに気付いたようだった。

僕は半身を見られているのにも関わらず、直ぐに身を隠した。

もちろん隠れられているとは思ってもいない。


「おーい」

随分太い声だ。

色黒で、ゴツくて、出来れば友達になりたくない、そんな奴。


ドンドンドンドン


おいおいおいおい、こっちに来るじゃないか。

待ってくれ、僕は今裸なんだ。

急いで床に落ちているマイヘアTとスキニーを身に纏う。


ダンッ!


ドアが開かれたと同時、なんとか服を着られ、なんだか色白な素肌を隠せた。

変に煽ることにならなくて良かった。

それはやはり色黒で筋肉質で、身長は190cmくらいだろうか、熱い。

「おー起きたか、良かった。俺は火打-ひうち-だ、よろしくな!」


んーー、凄い赤黒い大胸筋だ。

「これからお前の、んーなんだ、上司みたいなもんになる、お前はなんという」

それに凄いふくらはぎだ。

「おい、聞いてんのか!」

腹筋も完全に割れてやがる。

「おい!おい!まーいいや、お前何色なんだ」


ガシッ!


一瞬の出来事だった。

僕の視界は逆さまになったマイヘアのロゴで覆われていた。

すれはすなわち、Tシャツが捲られたことを意味する。

しかも、胸までだ。

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