ダークネスト

Treet

異世界転送

自動ドアが開く音。

左足が暖かい空気に包まれると同時、「おっめでとうございまーす!!あなたは第…」

耳障りな音が弾け、そして何故か、僕の視界は真っ白になった。



チュチュ…

チュチュチュチュチュチュチュ…


小鳥のさえずりで目が覚める。

少し焦げくさい臭いがする。

目を開くと焦げ茶色の天井と一部焦げ茶色の壁、僕は真っ白な布団に包まれていた。

横を向くと茶色い壁。

部屋に物は殆どなく、決して大きいとは言えない窓からは炎が射し込んでいた。


…!?


いやいやいや、熱いわ。

何故窓から炎がチラついているのか、僕の脳味噌は理解出来ていない。

火事か、そう思った瞬間、僕は布団から飛び出て立っていた。

そう、僕は裸だった。


えーと…


僕の脳味噌は理解出来ていない。

昨日はコンビニに行ったはずで、知らない部屋で、焦げ臭くて、裸で…

何故か妙にたくましく感じる裸と黒いアザに不思議を覚えながら、床に転がるMy Hair is Goodと書かれたTシャツと、黒いスキニーだけが僕を妙に落ち着かせた。


しかし落ち着いている場合でないことを僕は知っている。

太陽の光射す窓辺へ駆け、半身を投げ出す。

そこには広大な自然が溢れかえっていた。

そして二つの太陽とクリアな視界が印象的だった。

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