第18話 mystery 17 ~Imitation of God ~
今回のサブタイトルは少し考えてしまいました。
内容が濃いため何にしようかと…………
結局こうなりました……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
本文
角谷 賢一
俺が殺したドラッグ中毒者の名前だ。俺は江東区にあるこの男の家に謝罪の為向かっていた。
「到着しました、あそこの家ですが…………もうマスコミが嗅ぎ付けていますね」
「傷に塩を塗るような真似を…………本当にムカつく奴等だぜ‼」
「気にせず参りましょう」
そしてマスコミの群れを押し退けて中に進む
「こちらの家の関係者の方ですか? 出来ましたら取材を!」
「関係有りません! 退いて下さい」
「ここの息子さんが昨日暴れて人を殺害したようなんですが! ご存知ですか!」
「知りません! カメラを向けるなら肖像権侵害で損害賠償を請求する事になりますが⁉」
「あなた方に何も答える気は有りません、行きましょう望月さん」
俺達は玄関に入り呼び鈴を押した、インターホン越しに俺は話す
『今は何もお答えしませんと言いました、そっとしておいて下さい!』
「いえ、私は松田 健と申す者です。昨日息子さんと公園でやり合った者です」
『…………お入り下さい…………』
俺達は家に上げられた。
中には疲れきった様に父母と姉がいて、涙を永遠と流した様な後が顔中に見られる。
「お怪我をされたのですか、賠償は責任を持って行います、被害者団の弁護士から連絡が有りました。裁判所からの通知が来るそうです、それまで少しお待ち頂けませんか?」
「今日俺が来たのはそう言う用件で来たのでは有りません。俺は賢一君を殺害した者です。」
家族の表情がいきなり変わる、何とも言えない様な表情をしていた。
「暴れた弟を止めた英雄様ですか? 悪の弟の家族に何のようですか?」
「止めなさい今日子‼」
「何で⁉ この人が賢一を殺したのよ? 英雄に祭り上げられていい身分よね! 確かに賢一は人を殺したかもしれないわよ? でも薬物に犯されていたんでしょ⁉ 何も殺す必要は無かったじゃない‼」
「薬物に犯されていれば何をやっても許されるって言うの⁉ それ貴女は殺された人の家族の前で言える⁉」
「やめねーか‼ 久美‼」
「何でよ⁉」
「今日は言い合いに着た訳じゃねーんだよ!」
「今日子も止めなさい‼ 何の用で来られたのか解りませんが、昨日の今日です、ご覧になられた様にマスコミも大勢来て私達もどう今回向き合えば良いのか混乱しています、今日の所はお帰り頂けませんか?」
「解りました、ただ今日は…………どんな形にせよ、俺が賢一君の命を奪った事に変わりは有りません、だからお詫びに参りました、申し訳ございません」
俺はそう言って土下座した。
楓達も一緒に頭を下げて居る…………
娘の方はこっちを見もしないが、これが当然だろう、普通の反応だ…………
「何か有ればご連絡下さい、お力になれる事も有ると思います」
そう言って名刺を差し出す、俺が神合コーポレーションの会長だと知って驚いた様だが
「お気遣い感謝します、それに貴方が頭を下げる必要も有りません、昨日の公園でのやり取りは警察から聞きました、貴方も娘さんを守る為にしたのですから…………」
娘ではないのだが…………話がややこしくなるのでそのままにしておこう…………
「そう言って下さると少し気が楽になりますが、だが家族を失った悲しみは癒える事は無いでしょう、どんな些細な事でもお力に必ず成ります、お困りの事が有りましたらご連絡下さい」
今日はこの辺りで帰ろう、外に出るとまだアスコミがガヤガヤやっていた、ムカつくが殴る訳にもいかない…………マスコミを無視して抜けると、そこには龍牙が待っていた。
「話は望月さんから聞いたよ、余り気負う必要は無い、仕方の無い事だ、憎むべきはあれを持ち込んだ奴だよ」
「ああ、だがケジメはつけねえとな、それで、彼処にいて最初に殺られてた中国人達の身元は掴めたのか?」
「本部で話そう、来てくれ」
「私も行くわよ?」
「久美⁉」
「一緒に戦うわ!」
「そうですね、今回の事は私も我満出来ません!」
「朔耶まで…………解ったよ、まあどのみち今の状態であんなの来られたら俺も対処できねえしな」
俺達は有理子と別れ、神合警備本部へと向かった。
会長専用車である、レクサスのリムジンに乗り、中で龍牙に話を聞く。
「あいつらは観光客を装っては居るが、基本的にはチャイニーズマフィアで、裏でヤクザと繋がっていた。日本最大の広域指定暴力団である金元組との繋がりが確認できたよ、そしてこの金元組は中国がバックボーンであり、所謂日本のリベラルとの繋がりも確認出来た」
「やはり左翼どもは正体はヤクザか…………」
「そうだね、恐らく今回の件は角谷 賢一が危険ドラッグの常用者だったと処理され、回りにいた中国人は只の観光客と言う事で処理だれるだろう」
「実際の所はどうなの? そもそもチャイニーズマフィアと角谷 賢一、どう繋がるのよ? 何故同じ場所にいたの? そもそも自ら与えた薬物で自分達が殺されるとか間抜けにも程が有るじゃない? 角谷 賢一は常用者だったんじゃない?」
「いや、違うな、俺は奴の目を見た、あれはImitation of God 日本にはまだ入ってはいない薬物だ、そんな物を常用出来る訳が無い」
「別な薬を常用していて、もっと効き目のあるやつを渡されてたとかでは有りませんか?」
「その線も考えたんだけど、どうも違う様なんだ」
「理由は?」
「本部で映像記録と共に見せよう、着いたよ?」
そしてまたもや地下の記録室に入る
「先ずはこの映像を見てくれ、これは事件の30分前に角谷 賢一がバイト先のバイク便から帰る途中に寄ったガソリンスタンドの監視カメラの映像だ、ここの場所は江東区の新木場、事件現場であるあの公園までバイクでどんなに飛ばしても25分はかかる、詰りここから角谷はあの公園まで直行した事になる」
「確かにそうなるな?」
「次にあのチャイニーズマフィア達だけど、お台場のホテルで昨日の20時に食事をしていた事がホテルのボーイの証言にあった」
「詰りあいつらもあの公園までは直行か…………」
「そう、詰り両者とも何かの用が彼処にあって、直行したんだ、そして、あの公園の近辺に、金元組の幹部の家が有る、そして角谷は帰る途中に届け物の荷物を持って帰宅している事が解った」
「まさか⁉」
「そう、そのまさかだよ、届け先は江東区の金山 義輝、金元組の幹部の家だった」
「彼は実験に使われた? そう言う事ですか⁉」
「いや、まだそこまでは解っていないよ、だけど何らかのやり取りがあって、彼はそこで奴等にImitation of God を投薬された、それは間違いないだろうね…………」
ーーーーーーーーー
金元組
「金元さん、あれほどまだ目立つ事はしないでくださいとお願いしたはずですが?」
「申し訳ございません、ですがあの男にはマイクロチップが埋め込まれている筈ですが?」
「その事についてはこちらでも確認中です、ですが薬を使用する時は必ず此方へ報告をお願いしますよ?」
「解りました、警察への手回しは此方で行っています、マスコミには覚醒剤の常用者だった事で済ます手筈になっておりますので……」
「問題はネット民と家族ですね、ネットの方は此方で上手く火消しをしておきましょう、家族の方はそちらで始末をつけて下さいね? 騒がれると面倒です」
「解りました、遺書でも書かせて自殺に見せかけておきましょう」
「それではよろしく……」
ーーーーーーーーー
健達
俺は一先ず社へ戻り、有理子の所へと出向いた。
社長室へ着くとTVが調度ついていた。
『ニュースです、昨夜起きた江東区公園での乱闘事件の続報です、警視庁による取材で死亡した角谷容疑者は覚醒剤の常用者で有ることが明らかに成りました』
「ふざけやがって、何が覚醒剤の常用者だよ!」
「あ! お帰りに成られてたのですか?」
「ああ、どうせこうなるだろうと予想はしていたが、全くムカつくぜ! 取り合えず有理子、ちょっと話したい事が有る、楓は帰ったのか?」
「はい、先程戻られました」
「なら望月さんも呼んでくれるか?」
そして俺は三和先生に内容を話し、彼女にも全面的に協力をしてもらった方が彼女の安全の為にも薬の開発の為にも良いと言う話をした。
「確かにそれは一理有りますが、楓さんに相談した方が良いでしょう」
「なあ、望月さん、俺思ったんだけどさ? 楓って向こうの世界じゃリーダー的な存在だったのか? 何か久美まで随分とあいつの前じゃしおらしいんだよな?」
「先ず向こうでもリーダーはあなたです、会長。楓さんはそうですね…………神、、と呼べる人だと言っておきましょう、文字通りの意味で私達貴女の妻の中では神に等しき存在だった……」
「あいつがな~…………確かに色んな意味であいつは便りになるが…………」
「会長! 角谷さんのお父様からご連絡が!」
「こっちに繋いでくれ、朔耶!」
「繋ぎました」
「はい、松田です、どうされました?」
『妻と…………娘を……助けて…………』
「モシモシ⁉ 角谷さん? モシモシ?」
『奴等が …………追って、、、お台場の…………海浜公園へ…………ブツ! プー、プー、プー』
「モシモシ! 角谷さん! モシモシ⁉」
「どうされました⁉ 会長?」
「久美! 朔耶! ついてこい!角谷さんの娘さんと奥さんが逃げているらしい!」
「え? 逃げてる? 誰から?」
「解らねー、兎に角来い!」
「うん!」
「はい!」
くそう、社用車使うしかねえのかよ……俺のR34ぶっ壊れちまったからな…………新しく車買うか…………
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます