第16話 mystery 15 ~死のドラッグ~
基本創作物ですが、マイアミの事件は事後関係まで含めて事実です。
本当に銃をその身に数十発も受けて動いていたゾンビ事件がアメリカで発生しています。
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本文
現在女性陣が皆で和気あいあいと話して居る所、俺は料亭の廊下で正座中…………
久美の盗撮がバレて、一頻りリンチされた後で正座をさせられたのであった。
「久美さん、そろそろ健様を許して差し上げれば、もう充分に反省されていると思いますし…………お腹も空かれて居るでしょう」
「甘いわよ有理子さん、健兄さんがこんな程度で反省するわけ無いわよ」
「ですが…………」
「まあもう良いでしょう、久美、許してあげなさい、結婚すれば女の全ては主人の物、そう貴女には教えた筈よ?」
「まあ楓姉さんがそう言うなら…………」
どういう訳か久美は失踪事件の後から楓になついていた。
多分向こうで何かあったのだろう。
「じゃあ改めて乾~杯!」
皆で食事を済ませ、帰り道俺は自分の車で由利菜と優菜を乗せて帰路についた、だが…………
「ねえ、健様! あそこ凄い人集りが出来てる、何だろう? 何か慌ててる様にも見えますよ?」
「見てみるか、ああ?、何だあれ⁉」
そこには凄惨な光景が広がっていた、女性が一人血だらけで倒れていて、回りにうずくまって居る数人の男性が居た。
そして一人何やら大声で喚き散らしている男が居る、日本語で喋って居るようだがろれつが回っていなく、解らない。
「由利菜、優菜、お前達は車から絶対に出るなよ!」
「健様、警察は?」
「呼んでくれ! 住所はスマホのGPS機能を使って貰え!」
「はい!」
そして飛び出して行った物の、目の前で一人男性が殺された、力任せに首を折られた様だ。
「何だよあれ! 人間かよ⁉ 危険ドラックか!」
俺はまた一人餌食になりそうな男の前に割って入り
「逃げろ! こいつは普通じゃない」
何やらこいつもわめいて居るが、俺の意図した事が理解出来たみたいで逃げて行った。
「こいつは中国語か⁉ 中国人か」
俺は中国人が逃げたのを確認して、強めに右回し蹴りを中段に叩き込む。
が、全く効いた様子が無い、仕方無く全力の下段蹴りを入れるが鉛を蹴った様に堅い。
「嘘だろ⁉ 何だよこれ!」
ガツン!
「うわー!」
ガシャーン‼
俺は単なるパンチ1発で5メートル程吹っ飛ばされ、自らの車のドアを激しくへこまされる程の衝撃を食らった。
奴は俺を追いかけようとしたが
「警察だ! 大人しくしろ!」
迂闊にそいつに近付くな!
そう言いたかったが、声が出ない、俺は激しく体を打ち付けて、全身が動かなくなっていた。
「健様!」
出るな‼ 優菜! 車から出るな‼
そんな声すら俺には出せなかった。
「うわーーー!」
そして警察官が一人殺された、仲間の警察官が一人発砲する
パーン!
足に銃弾を諸に受けたがそいつは何事もなかったかの様に今度は優菜に狙いを定めた。
「ガーーー!」
猛獣の用な雄叫び、萎縮して叫び声すら上げられない優菜…………
そして俺は…………キレた
パーン‼
目の前で弾ける何か、いつもより鮮明に見える弾けたビジョン、そこには一本の木が立っている、幾つもの綺麗な実を宿らせて、枝が全ての実に絡まって居る、生命の木と呼ばれる木だった。
「俺の女に涙を流させるんじゃねーよ! この糞野郎がーーー!」
そしてハッキリと見えた、そいつの目は濁っていた、白目が消えて紫色に成っていた。
Imitation of God …………殺す、こいつはそうだから殺すのではなく、優菜に恐怖を与えた罪で殺す。
バキーン、ガシャーン!
右上段後ろ回し蹴り、今度は奴の顔面にめり込み逆に奴を10メートル程吹っ飛ばした。
そしてそいつを見ると、打つ伏せに倒れて居るのにも係わらず、潰れた顔はこちら正面を向いていた。
首の骨が折れて顔が180度回転したんだろう…………だがその状態ですら立ち上がって来た。
警察官がまたもや発砲する
パーン!
「ば、化け物か!」
パーン!
パーン!
パーン!
南部式の銃は5発装填なのでこの警官は全弾撃ち込んだ事になる、それでも奴は俺に襲いかかって来た。
「無駄だ! あんたも逃げろ! こいつはもう人間じゃ無い、本当の化け物に成ったんだ! 」
「た、倒れて居る市民を置いて警官が逃げる事など出来ない‼」
「解った、じゃあ無線で直ぐに応援を呼んでくれ!」
だがそれは少しでも警官を遠ざける為の俺の方便だ、気概は立派だが、今は邪魔でしかない。
俺は再び向かって来た怪物に向かって今度は側頭部へ前回しを入れる、頭がそのままちぎれて地に転がる、だがそのまま真っ直ぐに此方へ歩いて来る、こいつ本物のゾンビだ。
「馬鹿な‼ こんな事が現実に有るのか!」
「言ったろ! こいつはもう人間じゃなくて化け物何だ! 応援は呼んだのか⁉」
「呼んだ!」
「なら非常線を直ぐに張ってくれ‼ 見物人は邪魔だ! 死体を増やしたいか!」
「……⁉ 解った、あんたも気を付けろよ!」
サイレンが沢山聞こえる、警察が到着したようだ、機動隊も到着したようだ、こいつはもう頭が無い、詰り前進するだけの只の化け物だ。
そして警官隊に蜂の巣にされようやく絶命した。
そこには調度久美や楓、龍牙まで到着した。
「あなた! 大丈夫⁉」
「健兄さん‼」
「ああ、大丈夫とはちょっと言いがてーけど、、あばらが二本程いったみたいだ…………直ぐに龍牙に言われた事思い出して力を使ってればな…………ドジったぜ…………所で優菜…………もう大丈夫だからだっこちゃんもうよさね~?」
優菜が泣きながらだっこちゃん人形の様に張り付いて居た。
「やだ! 恐いからやだ!」
「優菜、健様怪我してるのよ?」
「まあ、良いよ、落ち着くまで俺がだっこしてるから」
折れたあばらにベアクローを食らって居るよりだっこした方が幾分痛みも無い…………
俺はだっこちゃんをだっこしながらそのまま救急車で救急病院迄運ばれて行った。基本的にこの付近で緊急搬送で運ばれる病院は神合綜合クリニックなのでグループ病院だ。
だがそこには以外な人が待ち構えていた。
「三和さん…………自分の病院はどうしたんですか?」
「あら、夜間の応急対応は持ち回りでやっているのよ? 会長、それで何故会長が救急車で?」
「階段から落ちました…………」
バキ‼
「いでーーーーー!」
「医者に嘘言っても直ぐにバレるの! 本当の事を言いなさい、どうせ救急隊員からの警察から聞いた報告が直ぐにこっちに回されるんだから、直ぐに解るのよ?」
仕方無く俺は本当の事を話した、若干事を小さくする事を忘れずにだが…………
「成る程、じゃあこの騒ぎは会長と化け物の戦いだった訳ね?」
「ええ? んげ!」
Twitterへの野次馬の書き込みが克明に記されていた…………
「へ~銃弾を撃ち込まれて居るにもかかわらず、動いている化け物へ素手で戦った強者、5メートル以上吹っ飛ばされて、車の中間のピラーが曲がる、、ピラーって何処?」
「プラスチックの……」
バキ‼
「イデデデーーーーーー! 後ろのドアが付いてる車の骨格部分です‼」
「そ~、まあ会長の話を聞いてるよりこのTwitter見てた方が状況が飲み込めるわね、良いですか会長、医者は先ず患者を治療する事が何よりも優先なの、勿論私の興味も有るけど状況聞いてるのは何処まで体を検査すれば良いのかを判断するため何です。この状況では単なるレントゲンだけでは駄目、頭部や内蔵等も打っている可能性も有ります」
俺は反省した、この人はプロだった…………
俺も少し前迄は車の医者だ、車の修理は基本的に運転者からの問診で8割り修理する、詰り問診から異常部位を特定していく事から初めて、後の2割りは考えられる異常部位を確認し、修理するんだ。
三和さんはそれを今やっていたんだ…………
「すみません三和さん、全て事実をはなします…………」
「解ってくれればいいんですよ!」
その後俺は永遠とあちらこちら調べられ…………
この人やっぱり趣味的に俺の体を調べてんじゃね? と思わせる程検査した後に
「凄いわね~、見物人の動画で見ると普通の人間じゃ全身複雑骨折しててもおかしくないのに、肋骨が2本骨折しているだけよ! 処置しちゃうから服脱がすわよ、明日三和医員迄薬を取りに来てくださいね」
治療が終わって先に痛み止のブロック注射だけを今日はしてもらった。
「さて、話は明日聞くとして、今日は社長達が心配しているでしょうからもうお帰りになられた方が良いですよ?」
「いや、話はさっきので全部ですよ?」
「今度は趣味の方の話、それとこのゾンビの薬開発の件、実は製薬の方から開発の手伝いの依頼が来てるんです、今までは危険ドラッグの線から考えていたんですけどね、どうもそれでは手詰まりに成りそう、だから会長の体をヒントに考えて行った方が早そうでしょ?」
確かにそうだ、そこで俺は考えた、ここはいっそのこと全て話して先生にも協力してもらった方が良いんじゃないか? その方が先生の危険も少なくなるんじゃないだろうか?
そんな事を思いつつも帰宅した。
「健様ーー!」
「いでーーーーー!」
「あ! 申し訳ございません、痛かったですか?」
そりゃ思いきりしがみつかれれば痛いに決まっている
「ああ、有理子、ちと痛かったけど大丈夫だ、でも母ちゃん、望月さんやアマリアさんまで来てたのか、大袈裟だな~」
「大袈裟ではありません! 私がどれだけ心配したと思っているんですか‼」
アマリアさんが涙を浮かべながら凄い勢いで迫って来る
「本来はここでアマリアを諌める所ですけど…………いくら服総帥に力の使いかたを聞いた所でお一人で戦おうとする浅はかさ、私も勘弁なりません」
望月さんにまで…………何故この二人にこんなに怒られなければ成らないんだ…………これじゃあ久美や朔耶に怒られているのと同じだ…………
「二人ともそのくらいにしておいてあげて、一応は病人何だし」
何とか楓から助け舟が入った…………
「楓さん、たけちゃんには少し話しておいた方がいい気がします、考えてみればその方がたけちゃんには良いんじゃないかと思えて来ました…………」
「は~……性格的な問題を私も見落としていたわ…………あなた、、一応理由を聞かせてくれる? まあ大体解るけど…………何故私達に助けを求めなかったの?」
「お前ら呼んだらかえってあぶねーだろ‼」
「やっぱりね…………」
「だから言ったじゃないの~楓、健ちゃんにはある程度話しておいた方が良いって」
母ちゃんまで何を言ってるんだ?
「今回ばかりは私の間違えだわ…………ねえ、あなた…………今のあなたより久美や朔耶の方が単純な戦闘力と言う意味では遥かに上よ!」
「んな! はあ? 何だそりゃ?」
「百聞は一見に如かず、久美と朔耶でエントランスで模擬戦闘をしてもらおう、良いね?」
「解ったわ」
そして久美と朔耶で模擬戦闘が始まった…………素手でのやりあいだが、習っていないはずの空手を二人が使って居る、そしてその威力が尋常ではなかった、俺は顎が外れた…………
「どうなってンだこれ、、、お前達空手は何処で習った?」
「健兄さんからよ!」
「健兄さんからです」
「たけちゃんが向こうで二人に教えたんだよ、そしてここに居るアマリアさんにもね」
「ええ?」
「良いのか? 服総帥…………」
「アマリアさん、たけちゃんには話しておいた方がいい、望月さんも……」
楓が頷いていた
「主人様…………主人様~ーーー!」
「え? おい!」
二人がそう言って抱きついて来た、またもやベアクローに俺のあばらは軋んだが、ここで声を出す程俺は野暮じゃ無い。
「やっぱり二人も俺と関係があったのか…………」
「二人も貴女の妻よ!」
「俺向こうで何人妻にしたんだ?」
「最終的には一万人越えてたわね?」
「はあ? そんなにかよ‼」
「まあ俺ですら千人越えてたからね…………」
「男が少ないのよ、だから許してあげてたの」
「ママも健ちゃんの妻だったのよ~」
「さらりと嘘を言わない、加代子」
「だって健ちゃんの子供産んだじゃな~い!」
…………そこは誰も否定しねーのか‼
おい! 聞くのが恐い…………聞かなかった事にしよう…………
「…………まあ、たけちゃん、そう言う事だから、少なくても覚醒前は危険な時は誰でもいい、呼んでくれれば」
「まあ確かに…………でも出来る範囲では俺も戦う、妻に戦わせて俺が後ろから見てるなんて死んでも出来ねーよ」
「解ってるわよ、だけどこれだけはあなた? 約束してちょうだい、あなたは嫌でも覚醒すれば最前線に立って戦う事になるの、私達では手も足も出ない敵が待っているのよ? それと戦う宿命なの、だから覚醒前には出来る事は私達はしたいの、だからお願い、一人で戦う事だけはしないで、良い?」
こんな必死な楓の顔は初めてだ…………いや、違う、前にも何度も見た気が…………
「ああ、解ったよ楓、約束する」
そして皆で再度新築祝いをしてその日は解散した
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