第15話 mystery 14 ~三万六千年前の犯罪~

脱法ドラッグとは、法律によって一部の薬物が規制されていることから、法律による規制がないであろう代替の薬物を表すために用いられている用語である。

植物肥料、お香、研究化学物質、またバスソルト(入浴剤)として販売されている。

2013年の日本薬剤師会雑誌の論文では、脱法ハーブとされるものは主に合成カンナビノイドが混入した形態、リキッドやパウダーでは興奮系薬物が主とされている。


現在俺はこの件について詳しい報告を龍牙から聞かされていた。


「この動画を見てくれ、ロスの事件では無いけど、マイアミで起きた例の人食いゾンビ事件の映像だよ、ちょっとグロいけど」


「これは俺も動画見たわ」


「実は出回って居る動画は加工された物で本物とは違うんだよ」


「え⁉ そうなのか?」


「あの事件の後に使用された薬物や、人食事件の結果が2点3点したのは知っているかい?」


「ああ、最初はマリファナだったが後にバスソルトだった事が解ったってやつだろ?」


「そう、そして人食していたと言われているが後の警察発表では司法解剖の結果胃の中からは肉が出てこなく、付近に散らばっていた事から噛みちぎったと見られる、そして錠剤の薬が溶け出てなく幾つもあったとか、、だがこの映像を見る限りは付近に肉片等一つも見当たらない…………」


「詰り肉片が飛び散った物に差し替えられたって事か……そして薬物はやはり脱法ドラックだった…………」


「そう、マリファナだったと報道したマスコミはその後脱法ドラックだったと、誤報だった事を訂正していない」


「脱法ドラックを悪者にしたくねえって事か…………」


「問題は日本にもこれが最近入って来たって事だね、日本では4-MMCという名で出回っている、摂取すると体温が上がり、攻撃的になる。

事件で男が裸だったのは暑くて服を脱いだから。実際脳のリミッターが外れ、常人の数倍の力で暴れることも有るんだ。

調べて解った事だけど、現在治療をしている医師の話を聞いたんだけど、男性10人以上でようやく取り押さえられたらしいよ。」


「もし町で暴れられでもしたらとんでもねえ事に成るな…………」


「でもまだそれなら良いんだ、今俺達が調べているのはもっととんでもない物何だ」


「ロスのやつか? あれはまた別の物なのか?」


「そう、名前を Imitation of God という、これも危険ドラックの一つ何だけど、人間を破壊してしまう程の物何だ、常用しだすと覚醒剤ですら壊れる迄に5年かかるのに対して、これは僅か3カ月程で壊れてしまう、そして幻覚や幻聴等が聞こえ初め、脳の機能を破壊し、人間の持っている潜在的な力を遥かに越えて発揮させる、だが待って居るのは筋肉の断裂や知能障害と言った廃人への道しかない。今治療薬を開発中だけど発症してしまった場合はもう手遅れ何だ。」


「其が日本にも入って来ようとしているのか⁉」


「そう、正確に言うならもう入って来てる、観光客と言う形で持ち込まれていると思う、発症者がまだ出ていないだけでね」


「常用している人間が入り込んでるって事か!」


「そう、日本に入り込んでる脱法ドラックは中国で作られている物がほとんど何だ、恐らくはそこに紛れ込んでいる可能性が高いね」


「おいおい! 今日本は中国人だらけ何だぞ?」


「マイクロチップを埋め込まれている人間だと正確にターゲットを狙って来る、もし遭遇した場合は、、、たけちゃんも覚悟を決めて、こちらで既にImitation of God の被害者への対処は抹殺と政府関係筋に通達している、揉み消す事は可能だから…………」


「殺すしかないか…………だが龍牙、それと普通の脱法ドラック、どう見分ければいい?」


「たけちゃん、あのドラッグわね、とある目的の為に作られて居るんだ、俺達みたいな人間を造り出す為にね、たけちゃんにも覚えが有るはずだよ? まだ意図的にコントロール出来ないと思うけど、俺が今やり方を教える、簡単だよ、今大切に思っている人を思い出す、そして守ろうと強く思って見て!」


そして言われた通りにしてみると……


パーン!

目の前で何かが弾けた


「その状態を維持して鏡で自分の目を良く見てごらん?」


「んな! これは…………」


白目が無くなっていた、いや、白目の部分が紫色に変色されていた。


「巷ではプロビデンスと言われているけど正確にはプロビデンスは別な物だ、それは eyes of truth 真実の目と呼ぶんだ。」


「真実の目?」


「世界の理を知った者が持つ目、覚醒者は皆その目を持つ、だけど紛い物は白目の部分は同じだけど瞳孔が開いて目が死んでいる、そこで見分ければいいよ」


その後俺達は数時間程会議をして、新たにラフィーネとリーア、美憂が理恵と理菜の秘書として、さりげなく理恵達のガードとして送られる事になった。

社に戻ると何と、母ちゃんが会長室でテレビを見ていた。


「あら~健ちゃんおかえりなさ~い!」


「んな! 何やってんだ?」


「有理子ちゃんがね~、お食事に誘ってくれたのよ~、もうすぐ愛子も来るわよ~」


「何でいきなり食事何だ?」


「おかえりなさい会長、スマホの電源切ってた?」


「ああ、久美、地下にいたからスマホ通じないんだよ」


「家が完成したみたいで明日から引越しなのよ、そこに母さんと加代子ママも呼ぶ事になってね? それで皆で新築祝いをやる事にな…………ラフィー…………」


「初めまして、お話し中だったのでお声をかけずらくて…………私今日から…………やはり、貴女にもあっているんですね…………」


「だめ…………駄目なのは解っているけど…………涙が止まらないよ、ラフィーネ、リーア、ミユまで」


「ごめんなさい、記憶が無くて、本当にごめんなさい…………」


「ん~ん、良いの、貴女達と再びこうして逢えただけで、もうそれだけで…………」


「お前達は俺と共に戦ったんだよな? 久美、でもラフィーネとあったお前はいままでと

少し…………まだ言えないか…………」


「久美ちゃんとラフィーネちゃん達は健ちゃんが転移した当初からの戦友ですもの~、一番辛い時を一緒に過ごしたんだから感動もそれだけ大きいわ~」


「加代子ママ!」


「大丈夫よ、久美ちゃん、健ちゃんもラフィーネちゃん達もこの程度で覚醒が遅れる何て事は無いわよ!」


「教えて下さい! 私辛いんです、どうすれば記憶が戻せるんですか?、副総裁もアマリア将軍も、皆私の事を知ってるみたいなんです、でも当の私は全く、そして今のお話では久美さんと私は辛いときに共に戦った大切な人、そんな人を思い出せない何て…………」


「やっぱ母ちゃんもグルか…………」


「ごめんなさいね~、ママ言いたかったんだけど楓ちゃんが五月蝿いのよ~、楓ちゃんは健ちゃんの完璧な覚醒を求めてるから~、でもこの程度の事は大丈夫なのに…………」


「完璧な? 何故事前に知ると完璧な覚醒が出来ないんだ?」


「簡単に言うと創られた愛では魂は成長しないのよ、例えば私と健兄さんは死地に何度も赴いて戦って居ました、お互いを愛し合いその難曲を乗り越えました。そう聞くと暗示の様に好きになった気がする、でもそれは頭で思っている事で一種の暗示なの、魂通しが引かれあって居るわけでは無いのよ、だから魂は成長しない」


「じゃあ、先に色々な事をやはり聞かない方が良いのでしょうか?」


「そうね~、リーアちゃん、記憶を戻すのは魂が大きく関係してくるの、リーアちゃん達も一度覚醒しているから条件は整っているのよ? だけど完全な覚醒までにはまだ少し足りないの、後もう少し大きくすれば完全な覚醒に至る事が出来るわ! そして魂を大きくするのは愛の力、お互いを思う愛が魂を成長させるのよ?」


「ふん、詰りやりまくれと言う事か!」


「そうよ~!」


「さらりと嘘を教えないで下さい加代子ママ…………」


「あら~嘘じゃ無いわよ~」


「確かに性行も手段の一つだけど、深くお互いを思っていれば魂は成長するわよ、貴女達がこの時代に来れたのも神による力だけでは無いの、貴女達が健兄さんの事を強く愛していたからこそここまで来れたのよ? だから急がなくても大丈夫、その気持ちが有れば次期に記憶は戻るわよ! それに一概に愛と言っても男女間だけの物だけでは無くて、親子兄弟姉妹や友情なんかも含まれるから」


そしてそこに、また厄介な人が到着した…………


「何の話をしてるの~? 健~今日もステキね~、ママがキスしてあげるわね~」


「舌を入れるな‼ 普通のキスで良いだろ‼」


「ちょっと母さん! 毎度毎度登場がワンパターンなのよ!」


「良いじゃな~い、母さんも健の事愛してるんだも~ん」


苦手だ…………美人だし言うことの無い抜群のスタイルなのに何故かこの人と母ちゃんだけは苦手だ…………


その後有理子達が来て俺達はグループ企業の料亭へと向かった。


料亭は都内でも有数の高級料亭で、芸能人や著名人等も利用する所だ。

由利菜と優菜は先に料亭へと到着していた、その後皆で自己紹介を終えた後


「そう言えばラフィーネさん達はどうやって健兄さんの事を知ったのですか?」


朔耶が余計な事を言い出し


「あ! それ私も聞きたいです~!」


由利菜が下らない事を言い出した…………


「健様がかつて使用されていたスマホが私の家に代々受け継がれていたんです、その中の動画に当時のラフィーネとリーアが私達宛のメッセージが含まれていて」


「そのスマホは今有るんですか?」


「勿論、今も」


「見せて頂いても宜しいですか?」


「ええ、どうぞ」


不味い!

「ちょっと貸せ‼」


「え? はあ…………」


俺はラフィーネからスマホを奪い、その動画を再生させて朔耶に渡した


「これだ…………」


「は? はあ、どうも…………」


そして皆で見ていて終わったと同時に

「貸せ‼」


朔耶からスマホを取上げ、ラフィーネに渡した。


だが…………


「他にも向こうの景色とか撮られてるの有りますか~?」


とまた由利菜が余計な事を言い出した


「有りますよ!」


「優菜もみた~い!」


非常に不味い!


「け、景色か? どれ、俺が見てやろう!」


「ん? 良いわよ、私と由利菜で見るから」


「いいや楓、これは俺のスマホだ、何が入っているかわ俺が一番よく知っている!」


「あなた記憶戻ったの?」


「び、微妙に…………」


「相変わらず嘘が下手ね、その顔はこの中に見られては困る画像か動画が入ってる顔よ?」


下らねー感だけは相変わらず冴えてやがる…………


「貸してラフィーネ」


「どうぞ?」


不味い、、由利菜にスマホが渡った…………

そして、この時状況は一変したのであった…………


「あ、去年のクリスマスイブの動画が有るよ~!」


いきなり見つけるんじゃねーーー!


そして無情にも音量最大で流される動画



『ムハムハムハ、良く眠ってるぜ!』


「何? その助平な笑い声」


『さ~て久美ちゃんの「元気デスカーーーーーー!」』


いきなりの猪木の登場に、一斉にビビりまくる一同…………だがそんな物に動じない一人の猛者がいた…………


「久美、貴女寝てる所盗撮されてるわよ?」


「あら~健ちゃん半殺しにされちゃうわね~」


「盗撮⁉ どれ? 楓姉さん」


終わった、俺の人生ここで終了かよ…………いや! 三万六千年前の犯罪は時効だ!







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