第8話 mystery 8
昼食の後俺たちは直轄企業の訪問を行った。俺の希望も有り様々な工場の見学も行われる事になった。
最初に行くのは某化粧品メーカーとシェアを二分する神合財閥でも古くから有る神性堂だ。
俺は神性堂社長への挨拶をそこそこに、早速工場への見学を希望した。
俺は元々技術者でもあり、化粧品が実際どの様に製造されるのか非常に楽しみだった。
「ここが工場か、でかいな~」
「工場長の萩原です、私が中をご案内させていただきます、工場内では恐れ入りますがこちらの服を着てください」
「当然だよな、誇りとか入ったらやばいもんな」
「おっしゃる通りです」
そして俺が何を驚いたかと言うと口紅に使われる色材だった、何と100種類以上の顔料やタール色素が使われていた。
「なあ? 有理子、この色材ってさ?こんなに必要な物なのか?」
「そうですね、先ず通常皆さんが持たれている口紅は多くて15本程度、そして実はその中でも使用しているのは本当は1~2本なんです。
これはアンケートの結果わかっていることです。
その意味ではこれ程の色材の種類は必要ありません」
「なら何でこんなに種類が多いんだ?」
「その答えは先程のアンケートに出ています、簡単に言えば人それぞれ肌の濃さが違うように、唇の色も微妙に違うんです、実際に塗るとイメージしてた色と全く違う色になってしまうんですよ」
「つまり15本の内残りの13本は気に入った色が見つかるまでの投資か・・・・」
「そういうことですね!」
「でもさ? なら服にはオーダーメイドが有るのに何で化粧品には無いんだ?」
「それは無理と言う物ですよ会長、だって口紅1本でオーダーメイド何てどれくらい高額になると思います?」
工場長にまで笑われた・・・・・だけど・・・・・・・
「車の色合わせなんて然程の時間はかからないぜ? 車も紫外線でやられてベース色だともう全然違う色になってるんだよ。だから板金修理なんかは全部塗装色合わせから始まるんだ!
フルオーダーは無理でもベース色を決めて、肌色のデータを組み合わせるだけで近い色データ算出するなんてパソコンにぶち込めば済む事だろ? 予めそれをいくつか決めて顧客に肌色データを選んでもらえばセミオーダーなんてできねえのかな?」
「いや、それだと大量生産ができないのでやはりコストが・・・・・・」
「いえ! 面白いですね、ちょっと試してみましょう」
なんとなくの発言だったのだが有理子が乗り気になっていた、この後俺は念願の下着生産工場を見学する。
フェアリーの生産工場だ。
そこで俺が見たものは驚愕の後継だった、何といまだにブラはミシンで縫っていたのだ。
俺は感動して一人の針子に声をかけた。
「お邪魔してすみません、この仕事は長いんですか?」
「そうですね~大体10年くらいです」
「仕事で何か気にかけてやっている事なんかあれば聞かせてください」
「一番気にかけているのが左右のカップで金型で切り抜いてきても柄が微妙に違うんですよ、大きな手直しはできませんが、小さい物はこちらで微調整してできる限り左右対称になるようにしています。これは慣れた者でなければできませんけど」
ここで俺は理解した、機械は正確に金型通りのパーツを造って来るが、その柄までは合わせて来ない、詰まりこの部分はやはり人でなければならないんだ
「お邪魔してすみません、これからも技術者としていい製品を造ってください!」
「技術者だなんて・・・・・そんな」
「いや、立派な技術者です、俺も技術者上がりなんでその仕事の難しさは理解できます」
俺は工場長に話してちょくちょくここに顔を出す事を頼んでおいた、まあ親会社の会長がしょっちゅう来るとかうざい事この上ないだろうがそこは敢えて最初に言っておいた。
「性格がこんなんなんで、従業員の1人や二人が便所にこもって千回こすってても全く気にしないんで!」
「いや、流石にそんなのは居ないと思いますよ?」
「そうかな~、俺なら自分の造った下着を友里子や由利みたいな美人が着けてるとこ想像すると思わずこもりたくなってくるけどな~?」
「会長!!」
「ああわり~」
俺は1週間程各企業訪問をして自分に何が出来るかを捜し、見つけた。
俺が出来る事………………そう、俺はやっぱり技術者何だ!
ならば話は簡単だ‼ 折角妻が何人もるんだ!
妻のエロ下着を造る‼
ガカーーー!
健の後ろに稲妻が走った‼
そして浮かび上がる負のオーラが形を成した!
そのオーラは………………穴開きランジェリーだった……
その頃マンションへの引っ越し作業が終わり、俺達8人は対に一所に住む事になった。
そして明日からいよいよマンションへ移る前夜、俺は皆を集めて食事を供にする事にした。
「いよいよ明日から一所に住む事に成る訳だが、前もって皆に話して置かねばならん事が有る」
「改まって話さなくて良いわよ? あなた」
「はあ? 何だよ楓、いきなり話の腰を折りやがって」
「どうせ言いたい事解ってるから前もって皆に話して有るから…………」
「んな? どういう事だよ? 俺まだお前に何も話してねーぞ?」
「大体言いたい事解るわよ、どうせ…………一所に住めば由利菜や優菜にすら俺は手を出すだろう‼ それが無理なら一所に住むのはもう少し後だ! とか言い出すつもりだったんでしょ?」
「……ング!」
「あんたがそう言う事話すのいつも土壇場になって言い出すの承知してるから? 皆承知の上での話よ!」
「優菜健様なら全然良いよ?」
「いやいや優菜、お前まだ小学生何だぞ? 俺はお前を嫁にする、それは絶対だ‼ だけどな? よーく考えてだ」
「今更何言ってんのよ? 前にも言ったでしょ? この4人は貴方の妻を何度も繰り返しているの、当然この4人が小学生位の年齢の時も貴方既に何度もしているのよ?」
「んな‼ マジかよ⁉」
俺は咄嗟に久美と朔耶を見た…………頷いて居る…………
「私が知っている限りでは健兄さん優菜ちゃんが8才位の年齢の時も失神するまでしてますよ?」
「ハガァァァ‼ う、嘘だ!」
「嘘じゃ無いわよ?」
前世が有る事は理解した、楓や朔耶は嘘を言う様な人間では無い、だから前世は有るんだろう。
そしてその記憶を持って久美達は生まれ変わって居る……
「まあ前世は前世です、今優菜が健様の事を愛して居るのも恐らくはそれが関係して居るんでしょう、ですが今を生きて要るのは私達です、だから今のこの感情を大切にしたいと私は思います。」
「そうだね、有理子の言う通りだよ、健様!」
「由利菜は本当に良いのか?」
「一所に暮らせる様になったのに放れて暮らすなんてもう無理~」
「はー、、、処で由利菜も優菜も学校はそこからでも通えるのか?」
「車を使ってるから何処でも大丈夫ですよ!」
「jKとJSが車で登高⁉」
「自分で運転してる訳じゃ無いですよ~!」
「運転手かよ…………」
「その話とは別に、私から久美さんと朔耶さんにお願いしたい事が有るんです」
「な~に? 改まって」
「健様の秘書として入社して頂きたいんです」
「朔耶はまだしも久美は柄じゃねーだろ~、ワハハハ!」
「五月蠅い!」
バキ‼
「グフォア‼」
「勿論会長秘書ですからその様な振るまいは社内ではご遠慮して頂きたいのですが…………お二人を選んだのは望月さんとアマリアさんなんです。そして私には理由は解りませんが、望月さんがとあるお話をしたときに、お二人を秘書にと押して来た物で」
「とある話し? どんな?」
「実はこの間私が倒れた時に、医務室長の所に健様に運んで頂きました」
「ああ、この人が使用済みパンティに埋もれながら変態仮面をやってた時ね?」
「楓! 仕事してたって言っただろ‼」
「顔と頭にパンティ被りながらね~」
「う、ウルセー!」
「はい、その時です!」
どうも有理子さんも怒っているらしい…………力強く肯定してくださった…………
「実はその医務室長の三和 瀬里菜は私の大学時代の有人何です」
「⁉ 瀬里菜‼」
「久美‼」
「あっ! ごめんなさい楓姉さん…………」
「ご存知なのですか?」
「あ、いえ、人違いよ…………」
「そうですか…………それでその三和がとある研究に没頭してしまって居るのです、そしてその研究対象が健様だと思い込んでしまったのです」
「何の研究何だ?」
「Those with Providence and gene
神の意思と遺伝子を持つ者…………
一度だけ英国で発表された事が有る論文です。曰くその者は優れた身体能力と天才的頭脳を有し、自らの意思で現象を打ち破り、更にその能力を上げられる神の如く力を持つとされています」
「現象を打ち破る、、とはどういう事なのですか?」
「朔耶さんは量子力学についてはどのくらいご存知ですか?」
「多少の事なら、その辺りは健兄さんが強いですね」
「まあ、簡単に言うとこの世界は一種のフォログラムで構築されていて、人間の脳が錯覚として作り出していると言う理論物理学です。
実際にあらゆる物質が素粒子が出来ている事も解っていますから、保々この理論通りで間違い無いのでしょう。現象を打ち破ると言うのはその脳が造り出した現象を破り、自らの意思で様々な物を構築すると言う物です。その引き金に目が関係しているらしいのです」
「目が?」
「プロビデンスの目、万物を見通すと言われるこの目ですが、この目を持つ者は目の前に移る現象を破壊して構築する。例えば今目の前に事故で引かれそうな人が居るとします。その引かれると言う行為を破壊して自分が前に有る家の屋根の上まで飛んで助けたと言う事実を構築する…………」
この時だった…………普通は……そんな馬鹿な⁉
と言って笑ってしまうだろうこの話を今ここに居る者は誰もそうはしなかった。
そして俺は理解した、今ここに居る者は全てがその …………
Those with Providence and gene
神の意思と遺伝子を持つ者…………
なのだと言う事を、そう、恐らくは俺も、そして実は有理子達も…………
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