エラー・メッセージ
佐藤太郎
ERROR
夜、僕はスランプをどうしようも無いままパソコンの画面を見つめていた。朝日の気配を感じながら、下書きにどれだけの時間がかかっているかを自問自答した。
下書きに使っているWordを画面に表示しても尚、キーボードから音は聞こえない。指を乗せたまま何もせずにいると、エラーメッセージが画面に現れた。
『は?』
と首を傾げずには居られなかった。
エラーメッセージ
エラーが発生
は?
キーボードを叩いても何も反応しない。右手中指に力を込めてEnterキーに触れた瞬間、《ピー》と音が鳴った。その音が耳に届くと同時に何かが記憶の底で動いた。その音はパソコンからのものではなく、有線接続してある小型プリンタからだった。
普段紙を入れていないハズのプリンタから、紙が次々と出てくる。
小説小説小説小説小説小説小悦小説小説小説小説小説小説小悦小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小説小悦小説小説小説小説小説小説……
延々と書かれた紙が湧いて出てくることに恐怖を感じ、僕は背後にあるドアノブに飛びついた。回しながら体当たりをする。ドアは軽く揺れるだけで、他に反応を示さなかった。
音を立てて布団が床に落ちる。飛び起きた時からの過呼吸が落ち着いた頃、背後の窓に朝日の気配を感じた。先程までの悪夢が
筆箱に入れたペンが1本、キーボードをめがけて落ちた。それがEnterキーを隣のキーより低く押し込んだ時、《ピー》と音が鳴った。何かが記憶の底から顔を出す。いつの間にか画面に表示されていたエラーメッセージが消えると、プリンタから紙が出てきた。
エラー・メッセージ 佐藤太郎 @Sato_Taro
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。エラー・メッセージの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます