『有り難き肉野菜炒め』
大学の夏季休暇は長い。
学生食堂も、学生の大半が帰省してしまう約一カ月間は閉る。
この一ヶ月、我々理系研究室生の食生活は荒廃する。
なんせ一日の大半を研究室で過ごしている。昼も夜も学食だ。
学食が閉まると食べる物がない。
自炊の習慣も綺麗に抜けて、連日カップ麺自販機のお世話になる事もしばしばだった。当時コンビニの野菜などサラダ程度で、温かい野菜の惣菜にありつくのは至難。そんな状況に飽き飽きした時有り難かったのが、某弁当屋の肉野菜炒めだ。
出来立てアツアツ、絡まる豚肉の脂、強火で炒めたキャベツの歯触りと香ばしさ、少し焦げた枝豆の香りと食感。
「あー、ウチ帰りてェ……」
一等、出来たてご飯が恋しくなる瞬間だった。
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