第6話 ウソだと思いたい
吸血鬼。血を吸う鬼。うん。知ってる。でも、物語の中の存在ではなかったっけ。
そんな混乱をよそに、彼らは話を進めていく。
「あ、自己紹介しとくわね。私は由野。で、こっちは藍斗。で、あなたは?」
「...。」
「おーい。こうなると思ってたんだろ?さっきまでの威勢はどうした?将軍さんよ。」
「あ、ああ。俺はクライスだ。」
「そう、じゃあ、クライス。私達はこの国を助けてあげる。でも、一個だけ条件があるわ。」
「ヒトの血か?」
「違うわよ。生活基盤が欲しいの。」
「わかった。すぐに用意させよう。」
「あら?優しいし、物わかりが良い人なのね。藍斗、話聞いてたでしょ。勝斗に報告してきて。」
「えぇー。マジかよ...」
「ほら。若者でしょ。」
「へーい。」
「由野、と言ったか。」
「ええ。」
「アマラス将軍は死ぬ前に4人いると言った。それに間違いは無いか?」
「ええ。」
「じゃあ、その中で一番偉いのは誰だ。」
「偉いと言うのは?一番年上という事なら私だけど、そう言う事ではなさそうね。」
「あぁ。俺が言ってるのは、こうして欲しい。とか、ああして欲しい。とか言われて皆が分かったという人のことだ。」
「それじゃあ、勝斗よ。今、藍斗が迎えにいってるわ。」
「そうか。じゃあ、最後の仲間は誰だ?」
「沙血よ。一番若いの。」
「そうか。4人いて、名前からするに2人女で、他は男というとこか?」
「そうよ。」
「おい、そこの君。」
「はい。」
「副将軍を呼んで来てもらえないかね。」
「はい。」
しばらく時間が過ぎていく。どうしようの無い疲れで、ここで眠っても良いと言われたらそうしそうだ。等と、よけいな事を考えていると、不思議と、疲れが取れていく気がした。「人間なんだから、休みなさい。」そう、優しい声がすると、目の前の景色が少しずつだが確実に、黒くなってくる。意識も薄れて来て、本当だったらとてもじゃないけど、寝ることなんて、できないはずなのに。安心している自分がいるのを驚きながら意識を手放した。
「さてと、私もここでじっとすることにしますか。」
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