恋文

 両親も寝静まった時間。彼女は慣れない万年筆で手紙を書いていた。


 桃色の便箋に綴られた言葉は、角砂糖よりも甘い愛の言葉だった。


「よしっ!これならきっと、私の気持ちも伝わるわ!」


 そう言って、書き上げた手紙をそっと机の上に置いた彼女。手首を抑えて部屋を出る。


 その手紙のすぐ横、真っ赤に染まった幾つものちり紙が、丸められて置かれている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る